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最終更新時刻:17時11分

産官学連携による共同チームに参画、新たなマテリアルズ・インフォマティクス手法の開発に成功

2023/12/11  HPCシステムズ 株式会社 

2023年12月11日

HPC システムズ株式会社

HPCシステムズ、産官学連携による共同チームに参画、
新たなマテリアルズ・インフォマティクス手法の開発に成功

HPCシステムズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 小野 鉄平、以下HPCシステムズ)が参画する産官学連携の共同チーム※1(代表:北陸先端科学技術大学院大学 共創インテリジェンス研究領域 DAM Hieu-Chi(ダム ヒョウ チ)教授)は、アテンション機構※2を採用した深層学習※3による 新たなマテリアルズ・インフォマティクス手法※4の開発に成功しました。その成果が世界トップクラスの科学雑誌「npj Computational Materials」に掲載されましたので、お知らせします。 このマテリアルズ・インフォマティクス手法の画期的な点は次の通りです。

● 物性値の高精度予測
物質の幅広い種類の物性値に対して非常に高い精度で予測する深層学習手法の開発
● 明示的解釈の提供
アテンション機構を活用した深層学習モデルにおいて、物質の物性を理解する際に注目 すべき局所構造や構造特徴を明確に指示することによる材料の設計に実用的な示唆

● 実証実験の成功

分子材料や結晶材料を対象に手法の検証を実施し、高精度な物性予測と明確な解釈の 両立を確認
● 前例のない結果
今までの手法では見られなかった高予測性と明示的な解釈性の両立の成功
● 材料設計への応用
明示的な解釈が材料設計において実用的でこの分野において期待大

同新手法は、計算科学・実験科学・データ科学の融合を一歩進めたものであり、汎用性が高く、素材開発に携わる研究者自身が使うことができます。例えば、従来1時間以上かかっていた分子上の反応位置の計算が新手法では瞬時に終わります。研究者は思考が中断されることなく、研究に集中できます。新規材料設計や分子構造の探索等のさまざまな先端機能性材料の研究開発へ幅広く応用されることが期待できます。

また、学術の面では、得られるデータからの物理化学の現象や物質の物性発現メカニズムへの深い理解が進み、さらなる材料の発見・開発や、未知の物理化学的現象の解明に極めて有用です。 材料科学分野へのアテンション機構の応用は、文章生成に使われる OpenAI の GPT シリーズ※5や、画像生成に使われる OpenAI の DALL-E※6のような、セルフアテンション機構を使用した最新の生成モデルと密接に関連しています。セルフアテンション機構は、データの内在する関係性やパターンを自動的に捉え、新たなデータの生成に特に有効です。本研究で開発した手法は、この機構を材料科学に適用し、物質の物性予測や構造解析に新たな次元をもたらします。これは、生成モデルにおける革新的なアプローチと同様、データの深層的な理解を促進し、未来の研究や開発に新しい方向性を示しています。また、アテンション機構とセルフアテンションの応用範囲を広げることで他の科学分野にも広く波及する可能性があります。AI とデータ科学の未来を形作る重要な一歩となると期待しています。

当社は、設立当初からこのような研究・開発への参画を通じ、最先端技術を導入し高度な知見と技術に磨きをかけてまいりました。今後も研究・開発者の立場から、ミッションである「研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること」に全力で取り組んでまいります。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS98099/1cf4073e/71a7/4500/9f34/5a9cfe5e0db0/140120231211501466.pdf

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