コスメディ製薬の「溶解型マイクロニードル」が第49回発明大賞にて発明功労賞を受賞
コスメディ製薬株式会社(本社:京都市 代表取締役社長:権 英淑)は、日本発明振興協会(東京都渋谷区 会長:石井卓爾氏)と日刊工業新聞社共催の「第49回(2023年度)発明大賞」にて、発明功労賞を受賞しましたのでお知らせします。
この度発明功労賞を受賞したのは、当社が開発した「溶解型マイクロニードル」。「溶解型マイクロニードル」は優れた発明考案であり、わが国産業の発展と国民生活の向上に業績をあげたとして、同賞に選出されました。
「第49回 発明大賞」表彰式は2024年3月15日(金)に明治記念館(東京都港区)で行われました。コスメディ製薬はこの度の表彰に深く感謝するとともに、私たちの「溶解型マイクロニードル」の医療・医薬分野での社会実装に向けて、さらなる研究開発に邁進します。
第49回発明大賞 発明功労賞を受賞して(代表取締役社長:権 英淑コメント)
「溶解型マイクロニードル」のイノベーションをさらに進化。
マイクロニードルワクチンパッチなど、医療・医薬分野での社会実装へ。
私たちは2001年、京都薬科大学から出発したベンチャー企業です。創業からの主な事業は湿布薬、テープ薬のように皮膚に貼って薬剤を届ける技術や製品の開発でした。皮膚は私たち人間を守るための頑丈な保護膜でもあり、薬剤も異物として皮膚に入りにくい。そこで「注射に代わる薬剤の投与方法」として、長さ数百μmの微細な針に有効成分を含有させ、皮膚から投与する技術「マイクロニードル」に着目しました。それまで開発されていたマイクロニードルは金属やシリコンなどの硬い素材で形成されたものが主流でしたが、私たちは「人の肌に傷をつける手法は現実的でない」という観点から、ヒアルロン酸やコラーゲンなど「皮膚内で溶ける物質でマイクロニードルをつくってみよう」という発想で「溶解型マイクロニードル」を開発しました。この独創的な発想から生まれた「溶解型マイクロニードル」は、その後化粧品に応用。2008年には世界初※1のマイクロニードル化粧品を上市し、化粧品市場に新たなジャンルとニーズを創り出しました。自社ブランド製品としてスキンケアシリーズ「クオニス」なども展開しております。
薬剤を皮膚に塗布するよりも、はるかに効率的かつ多量の有効成分を送達することが可能となった「溶解型マイクロニードル」は、安全性や簡便性からも「注射に代わる新技術」として、医療・医薬分野において広大なポテンシャルを持ちます。私たちの夢は、パンデミック時に自己投与できるマイクロニードルワクチンパッチの開発。注射でしか投与できないワクチンを、医師や看護師のいない地域でも投与できる未来が実現できます。また、1日数回のインスリン注射が必要な糖尿病患者の方には「貼る注射」としてのマイクロニードルパッチで、簡便な薬剤投与が提供できます。
コスメディ製薬のコア技術である「溶解型マイクロニードル」は、貼るタイプから塗るタイプへの進化もとげ、現在3つの工場は世界トップクラスのマイクロニードル製造環境に成長しました。私たちはマイクロニードルのパイオニア企業として、医療・医薬分野でのイノベーション実装のネクストステージに向け、着実に歩みを進めてまいります。
発明功労賞受賞「溶解型マイクロニードル」
注射でしか投与できない薬剤を皮膚に貼るだけで注入でき、
針が皮膚で溶ける、マイクロニードルの新しいテクノロジー。
2008年にコスメディ製薬が世界で初めて※1工業的製法を確立、製品化に成功したマイクロニードル技術です。
「溶解型マイクロニードル」は、マイクロニードルの基材を皮膚本来の成分であるヒアルロン酸やコラーゲンでできた、目に見えないほど超微細な針に薬剤成分を結晶化させています。ヒアルロン酸などの高分子成分は注射注入でしか肌に入れる手段がありませんでしたが「溶解型マイクロニードル」は肌に貼付するだけで、皮膚内部の水分によって針そのものが溶けだし、簡単・安全に薬剤成分を皮膚内にリリースすることが可能となりました。
「溶解型マイクロニードル」は投与に痛みを伴わず出血しない、医師や看護師やいなくても薬剤を自己投与できる、輸送や保管に便利、注射針廃棄の課題解決などの特徴から「注射に代わる新技術」として期待されています。
コスメディ製薬について
京都薬科大学における経皮吸収の基礎研究で培った技術をもとに医薬品、化粧品および医療用粘着製品を開発する製薬メーカーです。世界で初めて※1マイクロニードル化粧品を製品化するなど、経皮浸透技術を応用したオリジナル化粧品を開発・製造・販売しています。
【会社概要】
社 名:コスメディ製薬株式会社
本社所在地:〒601-8438
京都市南区西九条東比永城町75 GRANDE KYOTO 3F
代 表 者:代表取締役社長 権 英淑
設 立:2001年5月30日
コーポレートサイト:
https://cosmed-pharm.co.jp
※1 公益社団法人 日本薬剤学会発行 学会誌「薬剤学」より