・直行直帰型ヘルパーを中心に人材不足が加速
一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構(略称:コープ福祉機構、代表理事:森政広、二村睦子)は、2024年の介護報酬改定による訪問介護の基本報酬の単価引き下げの影響や、業界全体で介護職員の人材不足が叫ばれる情勢に鑑みて、福祉事業規模が上位で、地域の在宅利用者を中心に訪問介護事業を展開する14社員法人(11都府県)を対象に事業状況を把握するため、緊急のアンケート調査を実施しました。この度、調査結果がまとまりましたのでご報告します。
■14社員法人合計の2024年4、5月の累計実績について、事業収入は前年同月比-1.3%の悪化。
さらに事業利益段階では黒字から赤字へ転落。14社員法人で計4,075万円の減益に。
(1)事業収入:合計(単位:千円)
事業収入は14法人中、8法人で悪化
(2)事業利益:合計(単位:千円)
事業利益は14法人中、10法人で悪化
(3)事業利益率:合計
■直行直帰型ヘルパーの人材不足が顕著に。14社員合計では、前年5月と今年5月時点の比較で162人(-7.2%)の減少。人材不足によりサービス提供回数も減少がみられる。
Q.直行直帰型ヘルパーの実人数を教えてください(2023年5月末時点、2024年5月末時点比較)
■基本報酬引下げの影響
(自由記述)
・新処遇改善加算支払前であるため正確にはわからないが、収入はマイナスになると思われる。
・訪問介護員の働く意欲の低下につながっている。
・ヘルパー、サービス提供責任者の高齢化により、5年後の事業を見通す事が困難で、このまま大胆な処遇改善を図る事が出来なければ、訪問介護事業の縮小も視野に別サービスへの転換も検討。
■人材不足により、14社員中11社員で人材紹介会社を活用せざるを得ない状況に。
1人あたり年収の20~30%程の紹介料負担が発生し、必要な人材を補うための負担が大きい。
「一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構」は全国生協で打ち出している「2030ビジョン・福祉分野中期方針※」で掲げた「誰もが安心して自分らしくくらし続けることのできる地域づくりへ貢献する」「利用者の尊厳を護り、自立支援サービスの提供で、その人らしい在宅生活の継続を支える」という方針の実現を目指し、福祉介護事業を強化することを目的に設立しました。※全国の会員生協と協力して日本生協連が作った福祉事業のビジョン・ミッション
【概要】
法人名:一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構
住所:東京都渋谷区
代表者:代表理事 森 政広
代表理事 二村 睦子
設立:2022年6月17日
以上