金融機関向けに各社専用の安全・安心なAIプラットフォームを2025年度上期に提供～データ主権を確保し、厳しいセキュリティ要件下でもAIの活用が可能に～

2024/09/10　株式会社　野村総合研究所　

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野村総合研究所、金融機関向けに各社専用の安全・安心なAIプラットフォームを2025年度上期に提供

～データ主権を確保し、厳しいセキュリティ要件下でもAIの活用が可能に～

2024/09/10

株式会社野村総合研究所

株式会社野村総合研究所（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：柳澤花芽、以下「NRI」）は、データ主権¹ を確保しながら金融機関の求める高いセキュリティ水準を満たす「NRI 金融AIプラットフォーム（仮称）」（以下「本プラットフォーム」）を、2025年度上期中に提供開始します。本プラットフォームは、各社専用の環境をNRIのデータセンター内に構築し、安全かつ柔軟にAI（人工知能）を活用することができ、金融ビジネスに貢献します。

金融機関においては、投資家保護や運用対象の多様化、規制等に対応した生産性の高いレジリエント（強靭）なオペレーション体制の構築が求められています。そのために、高度な金融知識を大規模言語モデル（以下「LLM」）等のAI技術と組み合わせたビジネス改革が有効な手段となります。一方で、金融ビジネスにおけるAI活用においては、個人情報や機微情報² の適切な管理・保護も課題となってきますが、本プラットフォームではこのような課題にも対応する予定です。

本プラットフォームの主な特長は、以下の通りです。

①金融ビジネスに最適化されたLLM

金融ビジネスにおけるLLMの導入に関しては、回答の信頼性と正確性が重要となります。そうしたものに対応するために、Cohere Inc.³ （以下「Cohere（コーヒア）」）のLLMを採用し、NRIがもつ金融ビジネスへの知見と、金融機関向けに提供しているITソリューション内のデータ等を取り込みます。また、最新のGPU（Graphics Processing Unit）⁴ を導入し、金融ビジネスが求める性能要件に準拠した上で、膨大なデータ処理を実現します。なお、採用するLLMについては、Cohere以外のモデルも検討していきます。

②データ主権を確保したAI環境の提供

近年、生成AIを中心に手軽に利用できるAIサービスが登場していますが、情報漏洩やデータ管理体制が懸念されるため、金融ビジネスにおけるAI活用については情報収集等の一部の業務に限られていました。本プラットフォームは、金融機関が求める高いセキュリティ水準に対応するため、NRIのデータセンターに導入したOracle Alloy⁵ を活用して各社専用環境を構築し、LLM等のAIによるデータ処理をデータセンター内で完結させます。これにより、データ主権を確保しながら、堅牢かつ柔軟に活用できるAI環境の提供が可能となり、情報収集のみにとどまらない金融ビジネスや金融サービスへのAI活用が期待できます。

③AI活用を支援する新たなプラットフォーム

本プラットフォームを利用することで、NRIのデータセンター上で稼働するITソリューションにおいてもシームレスかつセキュアにAIを導入することが可能となります。NRIは、これまでに培った金融ビジネス支援のノウハウを活かし、特にAIの適用効果が高いと考えられる、①営業業務支援、②コンプライアンス業務支援、③事務の高度化・自律化の3つの戦略分野について、本プラットフォームを活用した新しい金融ソリューションの提供を予定しています（下図参照）。また、金融ビジネスにおける本プラットフォームの活用方法については、NRIのデータサイエンティストやAIエキスパートが支援します。

（図）NRI金融AIプラットフォームの概念

このリリースの画像：
https://www.jpubb.com/press/image.php?image=3290518

NRIは今後も、金融機関における安全なAI活用を推進し、金融業界のさらなる拡大に貢献していきます。

Oracle、Java、MySQL及びNetSuiteは、Oracle Corporation、その子会社及び関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。NetSuiteは、クラウド・コンピューティングの新時代を切り開いたクラウド・カンパニーです。

¹
クラウドサービスなどのデータを国内で保管し、自国の規制やルールのもとで、データの所有権やアクセス権、トレーサビリティ等の安全を確保する考え方。
²
金融関連分野の個人情報保護ガイドラインで取扱方法が定められている、取り扱いに注意すべき情報。
³
カナダのオンタリオ州に本社を置くAI企業。LLMによるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させるRAG（Retrieval-Augmented Generation）技術や多言語対応に強みを持つ。
https://cohere.com/
⁴
画像処理などの特定のタスクを高速に処理することを目的とした専用の装置であり、AIや科学計算などの分野でも活用。
⁵
オラクルが提供する包括的なクラウド・インフラストラクチャ・プラットフォームであり、パートナー企業がクラウド・プロバイダーとなることで、クラウドサービスの提供が可能となります。Oracle Alloyの導入の詳細については、以下をご参照ください。
https://www.nri.com/jp/news/info/cc/lst/2024/0220_1