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最終更新時刻:17時11分

味の素㈱とダノン、酪農由来の温室効果ガス削減に向けたグローバルでの協業を開始

2024/09/19  味の素 株式会社 

味の素㈱とダノン、酪農由来の温室効果ガス削減に向けた
グローバルでの協業を開始

2024.09.19

味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区 以下当社)は、Danone (CEO:Antoine de SaintAffrique 本社:フランス・パリ 以下ダノン)と、同社の生乳サプライチェーンから排出される温室効果ガス(以下GHG※1)を削減するためのグローバルでの戦略的パートナーシップを開始しました。この取り組みは、牛用アミノ酸リジン製剤のトップブランドである当社の「AjiPro®-L」を活用し、飼料中のアミノ酸を乳牛が効率的に吸収することで、飼料コストを大幅に削減しながら、乳牛の生育に関わる幅広いGHGの排出量削減を実現します。ダノンの「パートナー・フォー・グロース」プログラムの一環として両社で協働していきます。
※1)Greenhouse Gasの略


「AjiPro®-L」の特長

世界的な人口増に伴い、たんぱく質の需要が高まる中で、たんぱく源としての生乳・牛肉の持続可能な生産が注目されています。牛の糞尿やげっぷに含まれるメタン、一酸化二窒素など、牛の生育に関わるGHG排出量は全世界のGHG排出量の約9.5%※2を占めており、地球温暖化の原因の一つとして解決すべき喫緊の課題となっています。また、昨今の世界的な飼料高騰などによって酪農家の経営が圧迫される中、GHG排出量の削減を推進しつつも、飼料コストを軽減させるソリューションが必要となっています。
※2)出典: Food and Agriculture Organization「Livestock solutions for climate change」 https://www.fao.org/3/I8098EN/i8098en.pdf

今回、ダノンは当社の「AjiPro®-L」を活用したソリューションを採用し、酪農におけるGHG排出量削減を目指します。「AjiPro®-L」は、当社独自の製造技術により、通常では牛の小腸まで届きにくい必須アミノ酸のリジンを栄養として体内に効果的に届けることができます。本製品は、酪農家の飼料コストを削減しながら、乳牛の生育に関わる様々なGHG排出量を削減する上で重要な役割を果たします。

一般的に牛の飼料として使用される大豆粕は高たんぱくながら高価格で余分なアミノ酸を多く含みますが、「AjiPro®-L」を使用することで大豆粕などの飼料を減らしながら不足するアミノ酸を補い、飼料中のアミノ酸バランスを整えることができます。その結果、生乳の生産量を維持しながら飼料コストを削減すると同時に、大豆粕などのたんぱく源となる飼料の栽培・調達時に発生する二酸化炭素(CO2)を約20%※3、糞尿から発生する余剰な窒素由来の一酸化窒素(N2O)を約25%※3削減することが可能となります。

さらに、当社はin-vitro(インビトロ)試験により、げっぷに含まれるメタン(CH4)を抑制するメタン削減製剤の削減効果が、「AjiPro®-L」でアミノ酸バランスを整えた飼料と組み合わせて用いることで30%程度※4増幅することを確認しており、「AjiPro®-L」の活用は、げっぷ中のメタン排出量削減への貢献も期待できます。
※3)年間牛1頭あたり、当社算定。農家の飼料設計等により削減量は変化。
※4)代表的なメタン削減製剤を使用した場合。当社算定。

味の素株式会社 執行役常務 バイオ&ファインケミカル事業本部長 前田 純男は、次のように述べています。「当社は、アミノ酸に関する専門知識を活かし、ダノンをはじめとするパートナー企業、酪農・畜産業界全体の飼料コストとGHG排出量の削減に貢献するため、『AjiPro®-L』を活用したソリューションを開発しました。私たちは、『アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する』というパーパスに沿った戦略を通じてネガティブインパクトを緩和し、ポジティブインパクトの拡大に貢献していきます。」

DanoneのChief Procurement OfficerであるJean-Yves Krummenacher氏は、次のように述べています。「私たちは、味の素㈱のようなパートナーと協働し、酪農家に対してGHG排出量の削減と利益の改善という二重の効果をもたらすソリューションを増やしていきます。その結果、酪農家のレジリエンスが高まります。」

当社とダノンは、既にグローバル戦略パートナーシップに関する覚書(MoU)を締結しており、スペイン、ブラジル、米国にあるダノン契約農家や、エジプト、モロッコにあるダノン自社農家での導入に向けた取り組みを進めています。また、当社は、「AjiPro®-L」ソリューションのGHG排出削減量を定量化するツールの組み込みなどにおいてもダノンとの協働を進めます。

当社は、ネガティブインパクトの低減を着実に推進しながら、独自の科学的アプローチである「アミノサイエンス®」をベースとした戦略・取り組みをパートナーとも連携して進め、地球温暖化防止への貢献などのポジティブインパクト創出・拡大、飛躍的・継続的な企業価値向上に向けた挑戦を続けます。

■「AjiPro®-L」について
味の素㈱が2011年より販売している牛用アミノ酸リジン製剤です。通常、牛の第一胃(ルーメン)でリジン(必須アミノ酸の一つ)は分解されてしまうため、栄養として吸収されることが難しいところ、当社独自の製造技術によってリジンを栄養として吸収可能な小腸まで効率良く届けることができます。確かな科学的知見に裏付けられた生産性の向上と飼料効率の改善をもたらす「AjiPro®-L」は、牛用アミノ酸リジン製剤で世界1位の市場シェア(当社調べ)を有しています。
詳しくは、http://www.ahs.ajinomoto.com/products/feed/ajipro-L.html をご覧ください。

味の素グループについて

味の素グループは、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートスローガンに、アミノサイエンス&regで、人・社会・地球のWell-beingに貢献し、さらなる成長を実現してまいります。
味の素グループの2023年度の売上高は1兆4,392億円。世界34の国・地域に拠点を置き、商品を販売している国・地域は130以上にのぼります(2024年現在)。詳しくは、www.ajinomoto.co.jp をご覧ください。

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