シンガポールにおけるMMAの生産能力削減について～短期集中業績改善策の一環として事業再構築を加速～

2024/09/11　住友化学　株式会社　

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シンガポールにおけるMMAの生産能力削減について
～短期集中業績改善策の一環として事業再構築を加速～

2024年09月11日

住友化学は、このたび、シンガポールの当社100％子会社である住友化学アジア（以下、住化アジア）における、MMAモノマー（メタクリル酸メチル）およびPMMA（メタクリル樹脂）の各製造設備について、3系列中2系列を2024年9月末目途に停止することとしました。同拠点でのMMAモノマーは約8割、PMMAは約7割の生産能力削減となります。

当社グループのMMA生産能力（単位：トン／年、カッコ内は削減実施前）

	MMAモノマー	PMMA
シンガポール^※１	53,000 （223,000）	50,000 （150,000）
日本^※2	90,000	－
サウジアラビア^※3	90,000	50,000
合計	233,000 （403,000）	100,000 (200,000)

※1 住化アジア ※2 日本メタアクリルモノマー社を含む ※3 ペトロ・ラービグ社（37.5%出資）

PMMAは、合成樹脂の中でも抜群の透明性と耐候性、美しい光沢を持ち、自動車のテールランプや看板、水族館の水槽、液晶ディスプレイの光学部品などに幅広く使用されています。MMAモノマーは、PMMAの原料や塗料原料などとして用いられています。

MMAモノマーおよびPMMAの足元の市況は、大幅な低迷期に比べると回復の兆しが見える一方、同製品における、アジアを中心とした生産能力の拡大は今後も継続することが見込まれます。このような環境の中、当社グループにおいては、特に汎用品の領域において、中長期的に安定した販売量とマージンを確保していくことが困難になるものと判断しました。本再編実施後、当社グループは、技術的な強みを生かしたPMMAの特殊品・高付加価値品分野へと注力することで、市況動向に左右されない安定した事業構造へ転換していくことを目指しています。

また、住友化学は、石油化学関連事業について、既存製品のポートフォリオや生産体制の見直しを加速するとともに、環境負荷低減技術による価値創造に大きく舵（かじ）を切ることとしています。PMMAについては、22年12月に愛媛でケミカルリサイクル実証設備を完成させ、早期の社会実装に向けた技術検証やマーケティング活動を進めています。24年5月には、米大手ライセンサーであるルーマス・テクノロジー社との間で、同リサイクル技術についてのライセンス供与・商業化に関する協業契約を締結するなど、MMA関連のソリューション提供に注力してまいります。

住友化学は、現在、短期集中業績改善策の一環として、採算性やベストオーナーの視点に基づき、事業の再構築を加速させています。こうした取り組みを着実に進めることにより、24年度のＶ字回復をより確固たるものにするとともに、抜本的構造改革に取り組んでまいります。

以上