宇宙利用の計画から実施までをワンストップサービスで提供する「Total Service Provider」へJAMSSは2030年以降、LEO利用における宇宙ビジネスを牽引します
左:Clint Crosier, Director, Aerospace and Satellite, AWS 右:有人宇宙システム株式会社 常務取締役 中村太一
有人宇宙システム株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役: 有賀 輝、以下当社)は、クラウドサービスを展開するアマゾン ウェブ サービス(以下AWS)と、クラウドサービスを活用した地球低軌道(LEO:Low Earth Orbit)市場でのソリューション提供に向けて、協力合意書(Letter Of Support)を締結したことをご報告いたします。
協力合意書(Letter Of Support)締結の目的と背景
現在、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」では様々な実験や宇宙飛行士による活動が行われています。そこで得られたデータは、地上へと伝送され、ユーザーの目的に応じて様々な用途に活用されています。今後データ伝送に関するユーザーの多様なニーズに応じたサービスを提供することは、LEO市場の拡大に重要になると考えており、当社は、「自律的ファイルダンプシステム(JAMSS Automated File Dump Innovation System(以下JAFDIS))」*1の開発を開始し、
2023年に最初の軌道上技術実証をAWS Snowcone*2にて実施しました。
本合意書では、当社がこれまでISS日本実験棟「きぼう」で培ってきた技術と経験を出発点に、AWSのクラウドサービスを介して、誰もが気軽に「宇宙利用」できるソリューションサービスの提供を目指します。今後は当社が運営する宇宙利用サポートメディア「ASMILLA(アスミラ)」を発展させ、データ配信サービス*3を含むWebポータルプラットフォームを構築します。
商業宇宙ステーション時代に向けた「データ配信サービス」の構想
*1 軌道上のストレージに保存されたファイルをスケジュールに従い、自律的に地上へダウンリンクするためのシステム
*2
AWSが開発する小型かつ堅牢で安全なエッジコンピューティング及びデータストレージ
*3 クラウド環境を利用したデータ配布するUI *4。技術実証を開始しているJAFDISによるデータ伝送技術を本プラットフォームに導入することで、宇宙ステーション内のサーバーへ保存された大容量データが、自動的に地上へ伝送され、クラウド上で閲覧することが可能となり、まるで手元に宇宙のデータがあるかのように扱うことができます。本サービスは、さまざまなデータ伝送路上で提供可能であり、よりユーザーのニーズに沿ったソリューションを提供できます。
*4 ユーザーインターフェース(User Interface) の略称で、ユーザー(利用者)と製品やサービスとのインターフェース(接点)すべてのこと
今後の展開
多様な宇宙利用ニーズの一つとして、自動化・自律化した宇宙からのデータ配信サービスを提供することで、ユーザーの利便性が向上し、LEO市場の拡大に好循環を生み出すと考えています。当社は、今回のデータ配信サービスを皮切りに、今後も宇宙利用の価値向上に寄与すべくソリューションを提供し続けることで、宇宙利用の計画から実施までをワンストップサービスで提供する「Total Service Provider」を目指していきます。
SPACETIDEにて当社常務取締役/中村が登壇
2024年7月8日~10日に開催されたアジア最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE2024」において、 AWSセッション「日本宇宙産業の国際展開を支援するクラウドとAI」にて、当社常務取締役の中村 太一が登壇しました。AWS 航空宇宙部門でディレクターを務めるClint Crosier氏のもと、Degas株式会社 CTO 中山 洋平氏、株式会社パスコ 衛星事業部 事業推進部 部長 座間 創氏とともに、AWSユーザーとして活用事例を紹介し、当社のTotal Service Provider構想や、商業ステーション時代におけるデータ配信サービスの概要など、今後の展開についてお話させていただきました。
SPACETIDEでの登壇の様子
有人宇宙システム株式会社(JAMSS)
有人宇宙システム株式会社(JAMSS)は国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」を運用・利用・訓練・安全の観点で地上から見守ってきました。宇宙空間は今や新たな経済圏として民間企業が利用する場に変化しつつあります。JAMSSもまた「商業宇宙ステーション」時代の到来を見据え、「きぼう」の利用、衛星の開発・運用や衛星データの活用をはじめとした宇宙利用に力を入れています。さらには有人開発の最前線で培った技術力を活かし、地球と宇宙をつなぐ架け橋として宇宙探査領域の取り組みにも広く貢献していきます。
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