~渋谷で活躍する女性の意識・実態調査から、ウェルネス分類(渋谷ウェルネスタイプ)とウェルネススコア構築をめざす~
一般社団法人渋谷未来デザイン(代表理事:小泉秀樹、以下渋谷未来デザイン)は、社会課題となっている「女性への健康支援」に対し、渋谷らしいウェルネス像を検証してきました。
「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE プロジェクト」として渋谷で活躍する女性のウェルネス意識・実態をまとめたホワイトペーパー概要版「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE」を公開しました。今回の調査では、健康満足度という主観的な「感情的ウェルビーイングの向上」が、実際の「健康状態改善に寄与」していく可能性が示唆された一方で、健康満足度が高くても医学的な課題をもつ人がいることから、女性健康科学的アプローチ(婦人科学やスポーツ・フレイル的なアプローチ)が重要になることがわかりました。
資料は
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なお本調査は【一般社団法人シブヤ・スマートシティ推進機構・ウェルネス×都市生活「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE プロジェクト」】の活動として実施しています。 また、本プロジェクトのグループリーダーである、渋谷未来デザインは、女性が心身ともに健やかに自分らしく生きられる社会の実現を目指す「わたしたちのウェルネスアクション」の活動に2022年3月より取り組んでおり、本プロジェクトも、それら活動に貢献することから、「わたしたちのウェルネスアクション」ホームページ内に特設サイトを設置し公開しております。
URL:
https://womens-wellness-action.com/
「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE プロジェクト」とは
『渋谷関係人口層(渋谷に住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人など)一人ひとりのウェルビーイングを高める、都市生活における健康な行動・ライフスタイルとは何か?』今後の“渋谷モデル”を共創するために、社会課題となっている「女性への健康支援」に対し、渋谷らしいウェルネス像を模索します。
渋谷における若年女性のからだと心の状態や地域社会を含む全体的な幸福を伴う健康状態と意識の調査を実施し、渋谷らしいウェルネス像の定義化、及び渋谷女性のウェルネス意識・実態の可視化をすることで、最終的には、渋谷で活動するすべての女性が生涯にわたり活躍できるウェルビーイングな社会実現に向けた施策検討や基礎データとして活用することを目指していきます。
プロジェクトの背景
このプロジェクトの背景には、女性の健康課題に対する関心の高まりや、包括的なウェルビーイングな社会の実現が求められていることがあります。日本では、健康教育やプレコンセプションケア(男女ともに性や妊娠・出産に関する正しい知識を身に付け、健康管理を行うよう促すこと)に関する教育が国際標準に達しておらず、ヘルスリテラシーが低いことが課題とされています。また、痩せすぎの女性の増加と、それに伴う低出生体重児の増加が深刻な問題となっており、若年女性の健康改善が急務になっています。
プロジェクトにおけるウェルネスの定義と調査方法
本プロジェクトでは「ウェルネス」を健康に関する感情的・身体的にウェルビーイングな状態で、からだ・心・地域社会を含む全体的な幸福を伴う健康状態と定義しました。感情的なウェルビーイングとして自分の健康に満足しているかの「健康満足度」と身体的なウェルビーイングとして「生活習慣」「ライフスタイル志向」「月経状況」などの項目を調査しました。
調査方法としては、渋谷関係人口層の20~40代女性を対象にしたネットアンケート調査とイベント時における来場者の20~40代女性を対象とした実査およびアンケート調査を実施しました。
プロジェクトにおける仮説課題とファインディングス
本プロジェクトでは仮説課題を2つ設定しました。
- ヘルスリテラシー/ウェルネススコアの低さが起因となる 「やせ」割合の増加と将来の健康リスク増大
- 健康満足度が高い層にも、医学的に課題のある層が多く存在するのではないか
これらの仮説に基づき、調査を進めた結果、渋谷女性の健康満足度は全体として高いものの、5人に1人は健康満足度が低い層に属していることが確認されました。また健康状態が良好な人ほど精神的な満足感も高くなる傾向が見られました。また、健康満足度の違いはダイエットの動機にも影響を与えており、満足度が低い層では孤独感や経済的不安が強いことが示唆されています。
一方で医学的に問題がある人が多く存在し、将来の健康リスク増大につながる可能性があることがわかります。また、健康満足度が高い人々は、身体年齢や握力といった指標においても良好な傾向が見られる一方で、健康満足度が高くても骨密度に問題を抱えている人もいることがわかりました。
渋谷ウェルネスタイプについて
健康満足度という「感情的なウェルビーイング」の高低と、医学的な問題の有無で分析 軸として4象限を設定しました。健康満足度が高く、医学的問題がない人を「ハッピーグ リーンタイプ」健康満足度が高く、医学的問題がある人を「ハッピーレッドタイプ」健康 満足度が低く、医学的問題がない人を「アンハッピーグリーンタイプ」、健康満足度が低 く、ウェルネス介入が必要な層を「アンハッピーグリーンタイプ」とします。これらを「渋谷ウェルネスタイプ」という枠組みとします。この「ハッピーグリーンタイプ」の増加が今後重要なテーマとなります。
Next Action
今回の調査では、健康満足度や生活習慣に関する項目を10項目に整理し、これらを包括的に評価するためのパッケージを作成しました。対象となる10項目は、年齢、健康満足度、身長・体重、BMI、月経周期、月経日数、朝食の有無、運動習慣、睡眠時間、指わっかテストです。これらの項目に基づいて、今後は点数配分を分析し、スコア化することで、より精緻な健康評価が可能になることを目指しています。また、ICT技術(アプリ等)を活用したイベント活動の定期実施などや渋谷ウェルネスタイプの各群の数値改善施策を検討していきます。
ホワイトペーパー本編リリースについて
今後「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE プロジェクト」として、調査方法、データの収集・分析、結論などを詳細に記載したホワイトペーパー本編のリリースを予定しています。また今回実施したネットアンケート調査のローデータを公開する予定です。
「わたしたちのウェルネスアクション」プロジェクトとの連携
渋谷を中心に「女性が自分の健康や体と向き合い、周りと繋がって自分を大切にしながら
“自分らしく”生きられる社会」を目指して活動している渋谷未来デザインの「わたしたちのウェルネスアクション」プロジェクトが主催して、このたびの「渋谷におけるウェルネス調査」最新の結果と分析内容を、調査にご協力いただいた慶應義塾大学SFC研究所 健康情報学者本田由佳氏をゲストに迎えたトークイベントを開催しました。またアーカイブも公開しています。
<第一部|渋谷における女性のウェルネス調査の報告>
本田由佳(健康情報学者・博士)
長田新子(SIWゼネラルプロデューサー)
アーカイブ
https://youtu.be/hMPdhkne4_U
<第二部|わたしたちが考える本当のウェルビーイング>
ヤハラリカ(MC/モデル)
尾澤恭子(Koala Sleep Japan株式会社 最高マーケティング責任者)
本田由佳(健康情報学者・博士)
長田新子(SIWゼネラルプロデューサー)
アーカイブ
https://youtu.be/uOne-GIETzA
わたしたちのウェルネスアクションについて
女性が心身ともに健やかに自分らしく生きられる社会を目指し、渋谷から世界に向けて女性の健康課題解決やウェルネス向上のために活動する事業。2022年3月に「Women’s Wellness Action from Shibuya」として発足し、2024年4月からは”性別や年齢・文化などの垣根を超えてよりボーダレスに皆で女性のウェルネス向上に取り組みたい”という趣旨から事業名を変更。事業に賛同する個人や企業と連携した啓発活動や渋谷を中心としたイベントの実施によるコミュニティの拡大、渋谷未来デザインの事業や関連イベントとの連携を通したメッセージ発信を展開している。
https://womens-wellness-action.com/
参考:プロジェクトのメンバーと役割
調査主体
1)一般社団法人渋谷未来デザイン
ダイバーシティとインクルージョンを基本に、渋谷に住む人、働く人、学ぶ人、訪れる人など、渋谷に集う多様な人々 のアイデアや才能を、領域を越えて収集し、オープンイノベーションにより社会的課題の解決策と可能性をデザインする本格的な産官学民連携組織。本調査では、プロジェクトリーダーを担っている。
https://fds.or.jp/
2)株式会社読売広告社・都市生活研究所
都市生活研究所は、THE FUTURE IS ALREADY THERE IN THE CITY.~「都市」と「生活者」 の潮流から、既に起こった未来への変化を知覚・分析する~を理念に活動する組織。
「都市」と「生活者」が互いに影響を与えあい、変化しあう関係であることに着目。「生活者」 だけでなく、その活動の場である「都市」も同時にみつめることで、時代の潮流や社会・地域の課題を発見する研究開発&コンサルティング組織。本調査では、調査企画および考察を担っている。
https://www.yomiko.co.jp/
3)慶應義塾大学SFC研究所(慶應義塾大学環境情報学部 (中澤研究室:慶應義塾大学 環境情報学部 教授 中澤 仁、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任准教授 本田 由佳)
21世紀の先端研究をリードする研究拠点として、ヒトが行う様々な活動を円滑に支援するセンシング、AI(人工知能)、インタラクション(相互作用)技術、IoT技術を活用した研究や、ライフスタイルやライスコースごとの健康情報啓発と健康教育プログラムの研究開発をしている。
実際の活動は下記のとおり。
1. 慶應義塾大学環境情報学部 中澤研究会が推進するコンソーシアム(慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム)が拠点主催をする3月2日ホワイトリボンラン(明治公園)での実査
2. 慶應義塾大学環境情報学部 中澤研究会が主催し、慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアムTeamROSEが協力するイベントへの参画(女性の健康研究チーム)
3. 慶應義塾大学SFC研究所 健康情報コンソーシアム(
https://hip.sfc.keio.ac.jp)の特例会員であるヘルスビット株式会社が提供するパーソナルスコア※の測定
※パーソナルスコアとは、筋力と体形に関する簡単な計測結果から算出される身体指標で、身体年齢を表現するもの。今回の調査において、慶應義塾大学環境情報学部 中澤研究室は、調査票の企画・設計と 情報科学監修および、中澤研究室が推進する健康情報コンソーシアム所属の専門家医師の協力・指導のもと、調査結果に医学的な検討とアプローチをかけ合わせ、追加検証を実施している。
関係機関
1)一般社団法人シブヤ・スマートシティ推進機構
「渋谷区基本構想」で掲げる未来像の実現に向け、「渋谷区スマートシティ推進基本方針」に基づき、産官学民連携のもと、多様性に溢れた街である渋谷区独自のスマート化を推進し、ウェルビーイング(幸福・心の豊かさ)及びシティプライドの向上に寄与するために設立された産官学民共創組織。
本調査は、一般社団法人シブヤ・スマートシティ推進機構・ウェルネス×都市生活「SHIBUYA WOMEN’S WELLNESS SCORE プロジェクト」の活動として実施されたものである。