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最終更新時刻:17時11分

サトーとエンビプロ、リチウムイオン電池リサイクル過程の情報化に着手

2024/10/30  サトーホールディングス 株式会社 

輸送中の温度変化や再資源化の過程をデジタル化しトレース可能に

株式会社サトー(本社:東京都港区、以下「サトー」)と株式会社エンビプロ・ホールディングス(本社:静岡県富士宮市、以下「エンビプロ」)は、使用済みリチウムイオン電池(以下「LIB」)の回収から再資源化までのリサイクル過程の履歴をトレースできる情報取得の実証実験(以下「PoC」)を10月28日(月)から開始したことをお知らせします。

背景および目的
身近な製品から産業機器まで幅広く使用されているLIBは、普及とともに廃棄量が増加しています。また、LIBの材料となるリチウムやニッケル、コバルトなどのレアメタルは、将来的に材料不足が予想されています。そのため、使用済みLIBの回収から再資源化の効率向上は社会課題の一つとなっています。
これらに対応するため、サトーとエンビプロは、LIBのリサイクル過程をデジタル情報として取得し、将来的にはバッテリーパスポートにデータ連携することを目的に、処理過程の可視化とリサイクル資源の生産量予測などの実現を視野に入れ、このたびのPoCを実施します。
近年、使用済みLIBの輸送中や廃棄物処理の過程において、発熱・発火による火災事故が急増しています。この対策として、使用済みLIBの回収から処理過程までの温度と衝撃の情報を継続的に収集・データ化し、事故防止に役立てることも目的としています。

使用済みLIB再資源化のトレーサビリティPoCについて
エンビプログループの株式会社VOLTAが手掛けるLIBの回収・処理・再資源化の過程を、モノと情報をひも付けるサトーのRFID温度ロガータグ「LogBiz-Thermo(ログビズ・サーモ)」などを用いてデジタル化し、取得したデータをクラウド・サーバーへアップロードします。並行してエンビプログループの株式会社ブライトイノベーションが開発中のトレーサビリティ管理システム「TraceView(トレースビュー)」へデータを蓄積し、CO2排出量の算定も同時に行います。蓄積する状態データは、使用済みLIBの回収量や、各処理工程の日時、在庫量、保管場所、温度、ブラックマス*1の製造量などです。これらの履歴をシステム上で可視化することで、リサイクル過程のトレーサビリティを実現し、ウラノス・エコシステム*2へのデータ連携を今後の想定としています。

具体的には、使用済みLIBの入ったドラム缶にRFID温度ロガータグ(以下「タグ」)と、衝撃データロガーを貼り付けます。各ロガーの機能を有効にし、ロガーおよびIDを付与したタグとして貼り付けて出荷。輸送中は温度ロガーと衝撃データロガーでログを継続的に記録して状態をモニタリングします。
LIBリサイクル工場では、タグのIDを軸に在庫管理および工程内ステータスを記録し、各種履歴をトレースできるようにします。このIDと、製造したブラックマスの容器に付与された出荷IDをひも付けることで、LIBが適正に処理された履歴を一気通貫で確認できるようになり、排出事業者にも提供可能にします。
PoCでは、回収から再資源化までの処理履歴が確認可能になる、データ取得の実効性と実用性を検証します。





※1:ブラックマスとは、LIBを放電・乾燥・破砕・選別することで再資源化したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓
※2: ウラノス・エコシステム(Ouranos Ecosystem)とは、2023年4月に経済産業省が発表した、Society5.0⦅サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(物理空間)を高度に融合することで経済発展と社会的課題の解決と産業発展を両立する人間中心の社会⦆の実現というビジョンに共感した方々とともに、こうした取組を通じて、その実現を目指す、一連のイニシアティブです。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/ouranos.html

PoCの使用アイテムについて
PoCには、使用済みのサトー製プリンターから回収したLIBを使用します。今回の取り組みを通して、サトー製プリンター用LIBの再資源化を進めていく想定です。また、各種データ取得※は、サトーが開発したRFID温度ロガータグ「LogBiz-Thermo(ログビズ・サーモ)」を活用します。スマートフォンのNFC読み取り機能を使って温度データを収集できるため、専用のRFIDリーダーが不要です。位置情報と時系列で記録している温度情報は、スマートフォンの通信機能でクラウド・サーバーへアップロードします。
衝撃データは、他社のロガーを使用します。
その他記載されている会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。


株式会社エンビプロ・ホールディングス 概要
エンビプログループは、「持続可能社会実現の一翼を担う」をミッションに掲げ、環境事業の専門家として資源問題や環境問題の解決に取り組む企業グループです。廃棄物を破砕・選別することでリサイクル資源を生産する資源循環事業の他、リサイクル資源の物流を担うグローバルトレーディング事業、LIBリサイクルに特化したLIBリサイクル事業、環境経営コンサルティング、障がい者の就労支援等を行っており、鉄・非鉄金属を中心に、プラスチック、ゴム、リチウムイオン電池等のさまざまなリサイクル資源を扱います。
所在地 :静岡県富士宮市田中町87番地の1
代表者 :代表取締役社長 佐野 富和
資本金 :15億7,721万円(2024年10月30日時点)
企業HP:https://www.envipro.jp/
事業内容:傘下事業会社(総合リサイクル、トレーディング、障がい福祉、環境コンサルティング他)の経営管理、並びにそれに付帯する業務

株式会社サトー 概要
あらゆるものを情報化して、社会のうごきを最適化する。サトーグループは、90を超える国・地域でビジネスを展開する創業1940年のグローバル企業グループです。バーコードやRFIDなどに代表される、自動で情報を認識・入出力するための技術(自動認識技術)を用いて、リアルな世界のあらゆるものを情報化し、その情報を活用することで、現場ごとに最適な課題解決の仕組みを提供しています(2024年3月末時点、連結売上高1,434億円)。
所在地 :東京都港区芝浦3 丁目1 番1 号 msb Tamachi 田町ステーションタワーN
代表者 :代表取締役社長 笹原 美徳
資本金 :40 億円
企業HP:https://www.sato.co.jp/
事業内容:自動認識ソリューション商品(ラベルプリンター、RFIDプリンター、ラベル自動貼付機、ソフトウェア、シール・ラベル、RFIDタグ、ハンドラベラー等)の企画、開発、設計、製造、販売、保守。バーコードリーダー、RFIDリーダー、自動貼りロボットなど他社周辺機器を組み合わせた総合的なソリューションの企画提案。

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