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事業再生ADR手続の成立及び債務免除等の金融支援に関するお知らせ

2024/07/31  株式会社 ANAP 

2024年7月31日
株式会社ANAP

事業再生ADR手続の成立及び債務免除等の金融支援に関するお知らせ

当社は、2023年10月13日付の「事業再生ADR手続及び株式会社ネットプライスとのDIPファイナンスに係る契約締結に関するお知らせ」以降、継続的に進捗を公表しておりますとおり、今後の事業再生に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を図るべく、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「事業再生ADR手続」といいます。)を利用して、関係当事者である取引金融機関等の全対象債権者の合意を前提とする事業再生を目指し協議を進めてまいりました。

本日開催の事業再生計画案の決議のための債権者会議(以下「第3回債権者会議」といいます。)(続行期日7)にて、当社より提出した事業再生計画案(債務免除等を内容とする金融支援を含む。)について、全ての対象債権者の同意を得られましたので、お知らせいたします。



1.事業再生ADR手続の成立に至った経緯

当社は、1992年の創業から30年以上に亘り、主にレディースカジュアルファッション衣料の販売を主要な事業としてまいりました。店頭での対面販売を行う「店舗販売事業」、自社運営のECサイト及び外部のECサイトでの販売を行う「インターネット販売事業」を主要なセグメントとし、その他に法人向けの販売を行う「卸売販売事業」、「ライセンス事業」及び「メタバース関連事業」を事業セグメントとしております。主要事業である店舗販売事業においては、当社ブランドに共感する販売力の高いスタッフが接客を行うことで顧客満足を高め、もう一つの主要事業であるインターネット販売事業においては、ファッションEC創成期から他社に先駆けて自社オリジナルECサイトを展開してきたことで、業界でも高水準のEC比率を強みとして事業拡大してまいりました。

最近の当社の業績は、2020年以降の世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、政府・自治体の施策等で行動制限がなされ人流が滞ったことや、商品調達における海外サプライチェーンが停滞したこと、インターネット販売への新規参入が増加し競争が激化したこと、長期に亘る行動制限により消費者のアパレル需要が変容したことなどの複合的な要因から継続的に厳しい状況にあります。2023年に入って、ようやく様々な制限が緩和・解除されたことにより人流が回復し、店舗販売事業については改善の兆しがあるものの、インターネット販売事業においては、同事業を立て直すべく2022年10月31日に第5回新株予約権を発行し、その調達資金を広告宣伝費に充当する予定としておりましたが、株価低迷により新株予約権の行使が進まず資金調達ができなかったことや、費用対効果を考慮し各種施策の実施を抑えたことなどから、同事業の立て直しは滞っている状況にあります。結果として、2023年10月13日に公表した「2023年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」のとおり、4期連続の営業利益の赤字となり、上場来初めて期末において債務超過(▲893百万円)となり、その後も業績の回復が遅れていることから、2024年8月期第3四半期においては債務超過の額(▲1,693百万円)はさらに拡大しております。さらに、2023年8月期有価証券報告書の「継続企業の前提に関する注記」に記載とおり、資金繰りの悪化や自己資本の脆弱性、売上高の減少や収益率の低下を早期に是正する必要性が生じております。

このような事態を改善すべく2023年10月13日付の「事業再生ADR手続及び株式会社ネットプライスとのDIPファイナンスに係る契約締結に関するお知らせ」のとおり、事業再生ADR手続を利用して取引金融機関の合意のもとで、今後の事業再生に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を図っていくことといたしました。

当社は、2024年7月2日付の「事業再生ADR手続のスケジュール及び株式会社ネットプライスとのDIPファイナンスに係る契約締結に関するお知らせ」のとおり、迅速かつ公平性・透明性を担保し、また、候補者を幅広く募りながら、スポンサー選定を進めてまいりましたが、最終的に、当社に対し追加で2億5千万円の貸付実行を行った(2024年4月24日付の「DIPファイナンスによる資金調達に関するお知らせ」ご参照)株式会社ネットプライスを改めてスポンサーとして選定し、2024年6月7日開催の第3回債権者会議(続行期日5)において、同社をスポンサーとする「事業再生計画案」及び「事業計画案」を手続実施者及び対象債権者に提出し、第3回債権者会議(続行期日6)において、当社が提出した事業再生計画案に対して、改めて手続実施者から補足の調査報告書の提出を受けました。

そして、本日開催の第3回債権者会議(続行期日7)において、全対象債権者から事業再生計画案について同意が得られましたので、本日をもちまして事業再生ADR手続が成立いたしました(成立後の事業再生計画について、以下「本事業再生計画」といいます。)。

2. 金融支援に係る債務の内容

(1)対象債権

取引金融機関を含む6社 単位:円

対象債権者 対象債権額 債権放棄額 債権放棄後の残債務
株式会社りそな銀行 700,000,000 502,564,102 197,435,898
株式会社三井住友銀行 300,000,000 215,384,615 84,615,385
株式会社みずほ銀行 300,000,000 215,384,615 84,615,385
株式会社商工組合中央金庫 300,000,000 215,384,615 84,615,385
株式会社三菱UFJ銀行 250,000,000 179,487,179 70,512,821
株式会社横浜銀行※ 100,000,000 71,794,871 20,205,129
合計 1,950,000,000 1,399,999,997 550,000,003

※横浜銀行が有する債権については2023年11月21日に、その全額がオリックス株式会社に譲渡されております。

(2)金融支援に係る債務の種類

2023年8月31日現在において対象債権者が当社に対して有する貸付債権(以下「対象債権」といいます。)に係る債務

(3)金融支援に係る債務の額

1,950百万円

(4)負債総額(2024年5月31日現在)

2,450百万円(単位未満四捨五入。以下同じ。)

負債総額とは、2024年5月31日現在の連結貸借対照表上の負債勘定から各種引当金を控除したものです。

(5)金融支援に係る債務の額の負債総額に対する割合

71.8%

3. 金融支援の概要

(1)債務免除

①借入先

取引金融機関を含む6社

②債務免除の対象となる債務の種類及び額
対象債権に係る債務 1,399,999,997円

③債務免除日

事業再生ADR手続成立後最初に開催される株主総会決議後1ヵ月を経過した日の属する月の末日または2025年1月末日のいずれか早い期日までに残債権の一括弁済を実施した日

※但し、一括弁済の原資は第三者割当増資により調達することを予定しており、2024年10月3日開催予定の当社臨時株主総会において、発行可能株式総数の増加等に係る定款の一部変更を行うこと及び第三者割当増資に係る各議案が全て原案どおり承認可決されること等が条件となっておりますのでご留意ください。

第三者割当増資の条件並びに2024年10月3日開催予定の当社臨時株主総会及び付議議案の詳細については、2024年8月1日開催の当社臨時取締役会での決議の後に改めて公表いたします。

4. 本事業再生計画の概要

(1)経営が困難になった原因及び除去

経営が困難になった原因については、上記「1.事業再生ADR手続の成立に至った経緯」に記載したとおりであります。

経営が困難に陥った原因の除去については、2027年8月期(計画3期)に経常黒字化、2028年8月期(計画4期)より安定的な経常利益の計上、スポンサーの第三者割当増資及び新株予約権行使による実態純資産を正にすること、資金繰り不安の解消、着実な計画遂行による継続企業の前提の注記の解消等を実現するために、以下の①~③といった各施策を複合的に展開し、店舗・ECともに集積性の高いビジネスに変貌させ、強固な収益基盤を獲得する方針です。

①仕入サイクルの最適化

少ロット短納期戦略、海外工場との直接取引による不良在庫の減少、機会損失を生じさせない施策により利益の向上を図る。

②商品ブランドの再構築

安売りによるブランドの毀損とマーケティング戦略不在を解消すべく、新ブランドの投入、旧ブランドのリブランドによりブランドイメージを回復させ、定常化しているディスカウント販売を抑制し利益の確保を図る。

③EC事業の回復

スポンサーの技術力を活かしたECサイトの運営コストの削減、また、スポンサーの会員組織を活かしたアプローチで顧客数の拡大を図る。さらに、ランニングコストが低廉なシステムへの乗換えまたは構築することにより利益確保を図る。

(2)財務状況及び資本増強策

①財務状況

事業再生ADR手続において財務デュー・ディリジェンスを行い、投資有価証券評価、固定資産の減損処理の評価等を中心とした総額45百万円の調整項目により、当社は事業再生ADR手続に定める資産評定に関する基準で、2024年2月期末現在1,488百万円の債務超過に陥っております。なお、上記の事業再生ADR手続に定める資産評定に関する基準は、一般的な企業会計基準とは異なる点にご留意ください。

②対象債権者による金融支援

当社は、全ての対象債権者に対し、対象債権の残高全額(総額1,950百万円)のうち総額約1,400百万円につき債務免除いただくこと、及び残債権額(約550百万円)につきましては、スポンサー支援に基づくプロラタ弁済・一括返済を要請し、ご了解いただきました。

※但し、一括弁済の原資は第三者割当増資により調達することを予定しており、2024年10月3日開催予定の当社臨時株主総会において、発行可能株式総数の増加等に係る定款の一部変更を行うこと及び第三者割当増資に係る各議案が全て原案どおり承認可決されること等が条件となっておりますのでご留意ください。

③債務超過の解消

当社は、事業再生ADR手続が成立し、上記②の対象債権者による金融支援並びに下記④の資本増強及び自助努力による施策が実施された場合には、それらの効果により、2025年8月期決算には債務超過を解消いたします。

④資本増強策

2025年8月期決算までに債務超過を解消し、上場基盤を維持し且つ一括弁済資金を確保するため、スポンサーに対し総額13億5000万円の第三者割当増資を行うとともに、今後の財務基盤の強化及び再度の債務超過回避のため、2024年8月期乃至2026年8月期の損失計上の状況を踏まえて必要に応じた資金調達を可能とすべく、スポンサーに対し、引受・行使価格の総額を7億円とする新株予約権を発行いたします。

第三者割当増資の条件並びに2024年10月3日開催予定の当社臨時株主総会及び付議議案の詳細については、2024年8月1日開催の当社臨時取締役会での決議の後に改めて公表いたします。

5. 今後の見通し

本事業再生計画の当社業績見込に与える影響につきましては現在精査中のため、確定次第お知らせいたします。なお、対象債権者からの債務免除に伴い債務免除益に係る特別利益の計上を予定しておりますが、その詳細については、債務免除の効力が発生し次第速やかにお知らせいたします。

以 上

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