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ダニ媒介性脳炎の発症を予防する国内初の承認ワクチン「タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL」、「タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL」発売~感染の可能性のある地域居住者と流行地域渡航者のダニ媒介性脳炎発症予防に向け~

2024/09/13  ファイザー 株式会社 

ダニ媒介性脳炎の発症を予防する国内初の承認ワクチン
「タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL」、「タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL」発売

~感染の可能性のある地域居住者と流行地域渡航者のダニ媒介性脳炎発症予防に向け~

報道関係各位

2024年9月13日
ファイザー株式会社

ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:原田明久)は本日、成人および小児におけるダニ媒介性脳炎の発症を予防する国内初の承認ワクチン「タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL」および「タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL」(一般名:組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチン。以下、本剤)を発売しました。

タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL

ダニ媒介性脳炎は、ダニ媒介性脳炎ウイルスを保有するマダニに刺咬されることで感染する疾患です。急性ダニ媒介性脳炎の経過や長期的転帰は、感染したダニ媒介性脳炎ウイルスの亜型により異なります。日本では北海道で極東亜型ウイルスが分布していると報告されており、感染すると徐々に頭痛、発熱、悪心、嘔吐等の髄膜炎症状が現れ、脳脊髄炎等を発症すると、精神錯乱、昏睡、痙攣、麻痺等の中枢神経症状を呈します。極東亜型の致死率は20%以上で、生存者の30%~40%に神経学的後遺症がみられるなど、最も重篤な経過をたどると報告されています1。世界では、英国、ノルウェー、フランス、ドイツ、ロシアを含むヨーロッパ、東アジア等で毎年10,000~15,000件の発生が報告されているものの1、日本では2018年に発生した国内5例目以降の報告はありませんでした。しかしながら2024年6月に札幌市で6例目、7月に函館市で7例目の発生が報告されました2。これまでに国内で報告された7例は全て北海道で発生していますが、原因不明の中枢神経系疾患患者の血液を後方視的に調査した報告では、東京都、岡山県、大分県でTBEウイルス抗体陽性例が示されています3, 4。また、栃木県、島根県、長崎県等においても抗TBEV抗体を保有する動物が確認されていることから、これらのウイルスが国内に広く分布していることが示唆されています4, 5。ダニ媒介性脳炎は、疾患認知や検査体制が十分に整っていない等の理由から、急性脳炎等を発症しても診断に至っていない可能性が示唆されており3、本邦におけるダニ媒介性脳炎の実態は十分に把握されていません。

本剤は1970年代から欧州を中心に広く使用されており、本邦では「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にて医療上の必要性が高い医薬品と評価され、2019年9月19日に当社が厚生労働省から本剤の開発要請を受けました。この開発要請を受け当社が実施した国内第3相試験の結果等に基づき、本年3月26日に承認されました。本剤の接種により、ダニ媒介性脳炎ウイルスに感染する可能性のある地域居住者や、ダニ媒介性脳炎の流行地域への渡航者の感染を予防することが期待されます。

ファイザー株式会社 取締役 執行役員 ワクチン部門長の藤本 陽子は次のように述べています。
「厚生労働省の開発要請に基づき、国内第3相試験を実施して薬事承認を取得し、タイコバックを発売できたことを嬉しく思います。今日に至るまでにご協力いただきました多くの関係者の方々に感謝いたします。日本国内のダニ媒介性脳炎は感染後に重篤な転帰をたどる疾患ですが、有効な治療法がなく、タイコバックによる予防が重要な役割を担うと捉えています。タイコバックを必要とする方々に確実にお届けできるよう、安定供給、医療従事者への適正使用情報の提供、疾患啓発に取り組み、継続して予防医療の推進に努めてまいります」

<参考情報>
国内第3相試験について
国内第3相試験は、16歳以上の日本人健康成人および1歳以上16歳未満の日本人小児を対象に、成人は0.5mL、小児は0.25mLの用量で、本剤の安全性および免疫原性を評価した多施設共同、単群、非盲検試験です。

タイコバック(R)(一般名:組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチン)について6
本剤は、1970年代にIMMUNO社が開発した不活化ダニ媒介性脳炎ウイルスワクチンで、最初に市販された組織培養由来ダニ媒介性脳炎ワクチンです。その後様々な改良を経て、ダニ媒介性脳炎の流行国を中心に使用されています。ファイザー社は、2015年にバクスター社から本剤の製造販売承認を承継しました。
日本においては、ダニ媒介性脳炎ワクチンは、医療上の必要性が高いワクチンとして厚生労働省から開発要請を受けており、当社は2023年3月に、本剤の製造販売承認申請を厚生労働省に行いました。

製品概要

製品名

タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL
タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL​​​​​​

一般名

日本名:組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチン
英名:Inactivated tissue culture tick-borne encephalitis vaccine

効能又は効果

ダニ媒介性脳炎の予防

用法及び用量

タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL
初回免疫の場合、1回0.5mLを3回、筋肉内に接種する。2回目接種は、1回目接種の1~3ヵ月後、3回目接種は、2回目接種の5~12ヵ月後に接種する。免疫の賦与を急ぐ場合には、2回目接種を1回目接種の2週間後に行うことができる。
追加免疫の場合、1回0.5mLを筋肉内に接種する。

タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL
初回免疫の場合、1回0.25mLを3回、筋肉内に接種する。2回目接種は、1回目接種の1~3ヵ月後、3回目接種は、2回目接種の5~12ヵ月後に接種する。免疫の賦与を急ぐ場合には、2回目接種を1回目接種の2週間後に行うことができる。
追加免疫の場合、1回0.25mLを筋肉内に接種する。

用法及び用量に
関連する注意

タイコバック(R)水性懸濁筋注0.5mL
・接種対象者:
16歳以上の者
・追加免疫:
必要に応じて、3回目接種の3年後に追加免疫を行い、以降は16~60歳では5年ごと、60歳以上では3年ごとの追加免疫を行うこと。
・0.25mL接種対象者には使用しないこと。

タイコバック(R)小児用水性懸濁筋注0.25mL
・接種対象者:
1歳以上16歳未満の者
・追加免疫:
必要に応じて、3回目接種の3年後に追加免疫を行い、以降は5年ごとの追加免疫を行うこと。
・0.5mL接種対象者には使用しないこと。

水性懸濁筋注0.5mL、小児用水性懸濁筋注0.25mL共通事項
・2回目接種以降に接種が中断された場合は、できるだけ速やかに接種し、以降の接種を継続すること。
・医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。
・初回免疫完了前にダニ媒介性脳炎ウイルスに感染するリスクがある場合(ダニ媒介性脳炎流行時期における流行地域への渡航等)は、その前に本剤を2回接種すること。

製造販売承認取得日

2024年3月26日

発売年月日

2024年9月13日

製造販売元

ファイザー株式会社

ファイザーについて:患者さんの生活を大きく変えるブレークスルーを生みだす

ファイザーはサイエンスとグローバルなリソースを活用し、人々が健康で長生きし、生活を大きく改善するための治療法をお届けしています。私たちは、革新的な医薬品やワクチンを含むヘルスケア製品の探索・開発・製造における品質・安全性・価値の基準を確立するよう努めています。ファイザーの社員は、生命や生活を脅かす疾患に対するより良い予防法や治療法を提供することで、日々、世界中の人々の健康に貢献しています。世界有数の革新的医薬品企業の責務として、信頼できる医療に誰もが容易にアクセスできるように、世界中の医療従事者、政府、地域社会と協力しています。人々の期待に応えるため、私たちは175年以上にわたり前進し続けてきました。詳細はホームページ、公式SNSをご覧ください。

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<出典>

1. 厚生労働省「ダニ媒介脳炎に関するQ&A」 (令和6年8月30日更新).
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/mite_encephalitis.html
2. 函館市保健所「ダニ媒介脳炎患者(国内7例目)の発生について」
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2024020800073/file_contents/kohyo0703.pdf 
3. Ohira M, Yoshii K, Aso Y, Nakajima H, Yamashita T, Takahashi-Iwata I, et al. First evidence of tick-borne encephalitis (TBE) outside of Hokkaido Island in Japan. Emerg Microbes Infect. 2023 Dec;12(2):2278898.
4. 国立感染症研究所「国内外におけるダニ媒介脳炎の発生状況について」(令和6年8月30日)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/tick-encephalitis-m/2661-cepr/12805-tbe-ra-2408.html 
5. Yoshii K. TBE in Japan. Chapter 13. In: Dobler G, Erber W, Bröker M, Chitimia-Dobler L, Schmitt HJ, eds. The TBE Book. 7th ed. Singapore: Global Health Press; 2024.
6. Barrett PN, Schober-Bendixen S, Ehrlich HJ. History of tbe vaccines. Vaccine. 2003;21:S41-S9.

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