子ども支援専門の国際NGO 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、東京都千代田区、以下セーブ・ザ・チルドレン)は、1994年に日本が「子どもの権利条約」を批准してから30年という節目に「権利の主体」としての子ども・ユースの意識を醸成・促進するため、子ども向けウェブサイト『あすのコンパス』を公開しました。
リンク:
https://asuno-compass.savechildren.or.jp/
『あすのコンパス~見つけよう、キミらしい方角~』は、すべての子どもにある「子どもの権利」や、セーブ・ザ・チルドレンの活動の紹介を通して、子どもやユース1が自分らしく進む方向を考えるためのウェブサイトです。このサイトでは、子どもの権利を理解するための情報や、社会参画を促すためのイベントやキャンペーン、そして若い世代が社会を変えるために行っている活動や作品・メッセージなどを紹介していきます。
1「ユース」とは、ここでは特に18歳から20代半ばぐらいまでの若者世代を指しています。
<子ども向けウェブサイト 『あすのコンパス』のリリース背景>
こども家庭庁が2024年3月に公表した子どもの権利認知度に関する調査によれば、小学生から高校生で子どもの権利について「どんな内容かよく知っている」、「どんな内容かすこし知っている」と答えた人は、22.3%2に過ぎません。
一方で、同庁が同じ時期に公表した「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」によれば、「国や地方自治体の制度や政策について、7割近くのこども・若者が意見を伝えたいという意見表明意欲がある」ことが明らかになっています3。そのため、子どもたちが自身に関わる権利について適切な情報を得て、自らの意見を形成した上で、その声を社会に発信していける機会や仕組みを意識的に形成していく必要があります。
本サイト上では、子どもの権利を理解するための特設サイトやワークシート、子どもを取り巻く課題や解決策に関する読み物、気候変動に関するメッセージの呼びかけ、紛争下の教育を守るために活動する「ユースチーム」の募集、キャリアについて考える漫画などを通して、子ども・ユースが考えたり、行動を起こすきっかけを提供します。
2 こども家庭庁(令和6年)「児童の権利に関する条約の認知度等調査及び同条約の普及啓発方法の検討のための調査研究報告書」の調査結果より、小学1年生~高校3年生までで、「どんな内容かよく知っている」、「どんな内容かすこし知っている」と答えた人の平均を計算。
3 こども家庭庁(令和6年)「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン~こども・若者の声を聴く取組のはじめ方~」
<サイト名やデザインは子ども・ユースの声を反映>
本サイトの名前やデザインは、オンラインアンケートと個別インタビューを通して約1,000人の10歳から18歳の皆さんの意見を聴きながら決められました。複数のサイト名候補の中から『あすのコンパス』を選んだ理由として、
「漠然とした不安を持つ思春期を乗り越えるためのコンパスという表現に魅かれた」、
「『あす』と『方角』という言葉から、明日からにでも始められることがありそうだと感じた。大きく未来を捉えずに、気楽に考えても良いというニュアンスでいいと思った」などの声が寄せられました。
なお、「コンパス」という言葉には、それぞれ異なる物差しで、自分らしい方向を考えながら、子ども時代を進んでほしいという思いが込められています。
*制作過程における子どもを対象としたオンラインアンケートでは、クロス・マーケティング社よりインターネット調査「QiQUMO」を通じたご支援をいただきました。
<キーコンテンツの紹介>
●子どもの権利を知る 「こどものケンリ 大人も子どもも、知っておきたい話」
子どもの権利の概要やなりたち、日常生活との関わりなどについて、イラストや動画を交えてやさしい表現で解説しているほか、学校の授業などで活用いただけるアクティビティ教材もご紹介しています。(順次更新中)
「こどものケンリ」制作の背景については、下記のページをご参照ください。
https://x.gd/mKUxo
<子ども・ユースが社会に対してすぐに起こせるアクション、参加できる活動>
2024年10月1日現在、『あすのコンパス』上で、以下の活動に参加してくれる子ども・ユースを募集しています。
● 「紛争下の教育を守る」ために活動するユースチーム
紛争や災害などの危機下においても、世界の子どもたちの教育が継続されるようアドボカシー(社会啓発・政策提言)活動を行っています。アドボカシーに興味があり、積極的に参加できる高校生、専門学生、大学生世代を募集しています。
リンク:
https://asuno-compass.savechildren.or.jp/action/sdg4/
● Generation Hope(ジェネレーション・ホープ)キャンペーン
気候変動と経済的不平等の問題を解決するために、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)に合わせて、メッセージや絵などの作品を募集しています。
応募いただいた作品は、セーブ・ザ・チルドレンを通して、日本の政策決定者へ届けられます。
リンク:
https://asuno-compass.savechildren.or.jp/action/generationhope/
<セーブ・ザ・チルドレンについて>
1919年に英国にて創設。子どもの権利のパイオニアとして、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在、世界約120ヶ国で子ども支援活動を展開する国際NGOです。日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立しました。