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最終更新時刻:17時11分

ごみ焼却炉において低空気比での安定運転を実現~脱炭素と低環境負荷の同時達成~ [JFEエンジニアリング株式会社]

2024/07/31  JFEホールディングス 株式会社 

ごみ焼却炉において低空気比での安定運転を実現 ~脱炭素と低環境負荷の同時達成~

2024年7月31日
JFEエンジニアリング株式会社

JFEエンジニアリング株式会社(社長:福田 一美、本社:東京都千代田区)は、対向流燃焼方式焼却炉※1を採用した新型の廃棄物処理施設において、従来1.3程度であった空気比※2を最新技術の駆使により1.17まで低減した上で、安定運転することに成功しました。

ごみの燃焼時に、炉への空気供給を抑えると煙突から出る排ガス流量が減少します。これにより大気中に放出される熱が削減され、その分の熱をボイラで回収することで発電量が増加します。さらに、窒素と酸素が反応することで生成される有害な窒素酸化物も、供給空気量が少ないほど発生しにくくなります。
一方で炉への空気供給を抑えると、有害な一酸化炭素が生成されやすくなります。これを抑制するために、当社はレーザー※3を用いた炉内温度やガス成分分布の把握に加え、炉内の流体解析を行うことで、最適なごみ燃焼制御技術を開発しました。

当社は昨年の12月から、島根県出雲市の清掃工場である「出雲エネルギーセンター」の1号炉において、今回開発した技術を適用し実証運転を行っています。この実証運転では、ごみの質や量の変動に対しても、1日の平均空気比1.17~1.24の範囲で安定した低空気比運転を実現しています(6か月間の平均空気比1.20)。
この低空気比運転により、従来の運転と比較して排ガス流量が減少し、発電量を増やすことに成功し、窒素酸化物や一酸化炭素の排出量の抑制も確認できました。今後、本年12月までの実証により性能を検証し、このごみ燃焼制御技術を確立する予定です。

当社は最先端技術で廃棄物処理施設の性能を高め、脱炭素化と低環境負荷による循環型社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 第44回優秀環境装置表彰で経済産業大臣賞を受賞(2018年6月25日公表)
    https://www.jfe-eng.co.jp/news/2018/20180625.html
  • ※2 実際に焼却炉に送り込んだ空気量を、ごみを燃焼させるのに理論的に必要な最低限の空気量で割った値。空気比が高い(空気をたくさん使う)と、大きな動力を必要とし、排ガス量が多くなるうえエネルギー回収率が減少するため、省エネルギー化を図るには、空気比を低く抑えることが重要
  • ※3 測定箇所を複数の光路でレーザー計測し、CT(コンピュータトモグラフィ)技術で温度・ガス成分の分布を2次元化する技術

以上

本件に関するお問合わせは下記にお願いいたします。

  • JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報室

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