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「コア預金モデルの高度化に関する共同研究」について

2024/05/22  株式会社 静岡銀行 

2024.5.22

「コア預金モデルの高度化に関する共同研究」について

静岡銀行(頭取 八木 稔)では、グループの第 1 次中期経営計画で取り組む「社会価値創造と企業価値 向上の両立」に向け、資金収益の安定化や資産・負債管理の健全性向上に資する「コア預金モデル(※1)」の 高度化に取り組んでいますので、その概要をご案内します。

1.目的、経緯など

〇地域金融機関として、いかなる環境下にあっても経営の安定性を維持しつつ、円滑な資金供給を行う など地域の金融インフラとしての役割を果たすためには、お客さまからお預かりする預金の存在が非常に重要となります。

〇一方、金融機関は、健全経営を実践するための規制(IRRBB 規制(※2)等)において、資産・負債の 金利リスクを一定の自己資本の範囲に収めることを求められており、さまざまな経営戦略を展開するうえでは、お客さまの預金の経済価値を適正に評価することが必要となります。

〇足元では、マイナス金利政策の解除にともなう「金利のある世界」への移行やデジタル化の進展によるキャッシュレス決済の浸透などを背景に、お客さまの意識や行動も変化しており、預金推移の動向も 従来と変わることが予想されます。

〇こうした環境変化をふまえ、静岡銀行では、今後の預金動向を分析し長期滞留が予測される預金の経済価値を評価する「コア預金モデル」の更改が必要と判断し、「アリアンツ・グローバル・インベスターズ (以下、アリアンツGI)」「NS フィナンシャルマネジメントコンサルティング株式会社(以下、NSFMC)」、 周南公立大学の木島正明教授とともに新たなコア預金モデルの共同研究を開始しました。

※1 銀行がお預りする預金のうち、引き出されず長期滞留している預金(コア預金)の経済価値を評価するモデル 金融機関が資金収益の安定化や資産・負債管理の健全性を高めることを通じて、企業価値を向上させることに寄与
※2 金利水準の変動に伴い銀行勘定の資産や負債の経済価値、収益が変動することで生じるリスクに関する規制

2.共同研究の取り組み

〇2024 年 9 月から新たなコア預金モデルを導入し、コア預金の経済価値の計測を開始します。

〇新モデルは、月次の預金残高の変動率に金利局面(上昇・低下)トレンドや季節要因、セグメント間の 相関性等の個別パラメータを加味して、将来の預金残高を推計できる先進的なモデルとなります。

<共同研究メンバーの役割>
静岡銀行
・預金動向に関するデータや地域金融機関としての知見を提供
アリアンツ GI
・欧州最大級の損保会社グループとしてドイツをはじめ世界各国に拠点を有する 資産運用会社。リスクラボとしてミュンヘン工科大学等と学術的なネットワークを有する部門が本共同研究を担当
NSFMC
・金融システムベンダー大手の日鉄ソリューションズグループの一員で、コア預金モデル 構築に関するデータサイエンス・システム開発を担当
周南公立大学 木島正明教授
・コア預金モデルの原型の構築者で、同モデルは多くの銀行で内部モデルとして 採用 されている。共同研究では学術的な面からサポートを行う

3.今後の方針

〇本共同研究を通じて、静岡銀行における資産・負債の分析・評価のさらなる高度化を図り、今後の金利上昇等に対するリスク管理体制を強化します。

〇これにより、資産・負債を適切にコントロールできる体制を整備するとともに、地域としずおかフィナンシャルグループ双方の持続的成長に向けて、お客さまに提供する価値の最大化につなげてまいります。

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