積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:吉田匡秀)は、多雪エリア専用住宅の新仕様となる『GREENMODEL-S あったかパッケージ』を、10月24日(木)より多雪エリア(※1)(北海道および一部離島地域を除く)で発売します。
当社は2023年10月より、厳しい気候環境下にある多雪エリアにおいて、万が一の停電に備えながら環境と家計にやさしい暮らしを両立する住宅「GREENMODEL-S」を提供してまいりました。
今回発売する『GREENMODEL-S あったかパッケージ』では、第一種換気・全室空調システム「快適エアリー」の強化により、多雪エリアでの冷え込む冬季にも従来品と比較し省エネ性能は維持しながらこれまで以上の快適性(あたたかさ)を提供します。また、快適性能だけでなく、太陽光発電システム(以下PV)や蓄電池の大容量化により、「レジリエンス」「環境・経済性」の各性能もさらに高めた建物仕様パッケージとしています。本商品の普及拡大により、お客様の安心・安全で豊かな暮らしと脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
『GREENMODEL-S あったかパッケージ』の特長
1.全室空調「快適エアリー」の霜取り機能を強化し、寒い冬でもあたたかい室内をキープ
2.大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」の進化により、停電時の安心(※2)が拡大
3.太陽光発電システムの大容量化で自然エネルギーの活用を促進、よりエコな暮らしに
■『GREENMODEL-S あったかパッケージ』発売の背景
これまでも多雪エリアにおける住まいのニーズとして、断熱性能とともに冬季における暖房性能と省エネ性能をいかに両立させるかが求められてきました。
当社は2020年に高いエネルギー自給自足率によって「できるだけ電気を買わない、先進の暮らし」を実現する、環境と家計にやさしい住宅「GREENMODEL」シリーズを発売(累積販売棟数7,150棟(※3))し、2023年10月に、同シリーズ初の多雪エリア向け商品「GREENMODEL-S」を展開。大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」と、季節によって蓄電池の運転モードを自動で切り替える「グリーンモード多雪」機能を搭載し、積雪でPV発電量が不足する恐れがある冬季(11~4月)は夜間に電気を買って充電し、豪雪などによる停電時でも暖房や食事が可能となるレジリエンス性(※2)を確保しながら、夏季(5~10月)はPV電力の活用により買う電気の量を抑えることで、エネルギー自給自足型(※4)の暮らしを実現しています。
今回発売する『GREENMODEL-S あったかパッケージ』では、従来の「GREENMODEL-S」における「レジリエンス」「環境・経済」各性能のさらなる進化とともに、多雪エリアに暮らす人々が求めるあたたかさ(快適性)を追求しました。様々な気象条件のもとでも、快適・安心な暮らしのできる住宅の普及拡大により、サステナブルな社会の実現への貢献を目指します。
■『GREENMODEL-S あったかパッケージ』の特長
1.全室空調「快適エアリー」の霜取り機能を強化し、寒い冬でもあたたかい室内をキープ
「快適エアリー」は家全体で空調をコントロールし、一年じゅう快適な室内を実現する当社独自の第一種換気・全室空調システムであり、床下空間を暖めることで足元からあたたかい「床あったか」機能が特長です。
足元からあたたかい快適エアリー
「快適エアリー」には室外機内に付着した霜を除去する機能が備わっていますが、特に冬場の室内外温度差が大きい多雪エリアにおいて、霜取り運転時の一時的な室温低下をできるだけ少なくし、快適性を向上する研究と検証を進めてまいりました。
今般、霜取り機能を強化して室温低下を抑える「あったかキープシステム」を新たに開発。室外機への高性能センサーの搭載と除霜方法の改良により、霜取り運転の回数を従来の半分以下(※5)に減らし、1回あたりの霜取り時間もおよそ半分(※5)に抑えます。さらに、霜取り運転前にあらかじめ室内を温めるプレヒート機能(※6)によって、室温低下を従来の約1/3(※5)に抑制します。2024年1月に行ったモニター実証では、居住者から「寒いなと思うことが少なく、ずっと快適に過ごせた」とのコメントをいただくなど、新機能の有用性を実証しています。
あたたかさが強化された「快適エアリー」と、環境が安定した工場で高品質な家づくりを行う工場生産技術を活かした高気密・高断熱仕様の住まいで、冬の寒さの厳しい多雪エリアでも快適な室内を実現します。
快適エアリー「あったかキープシステム」における霜取り運転中の室内温度イメージ
2.大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」の進化により、停電時の安心(※2)が拡大
今回、大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」の性能を大幅に強化しました。容量を従来の12.0kWhから13.2kWh(※7)に10%拡大。内蔵する当社製のフィルム型蓄電池セルの設計改良などにより、筐体サイズは従来から変更せず3%の軽量化を実現したほか、充電・放電効率も向上。室内に設置可能なため耐久性にも優れます。
進化した大容量蓄電池「e-Pocket GREEN」
これらの進化により、設置スペースを広げることなく電力使用量が拡大。災害後に雨天が続く長期停電の場合でも、最低限の生活(※8)であれば4日間使用可能な電力が確保できます(※2)。2023年10月より搭載の「グリーンモード多雪」機能と合わせ、近年頻発化する自然災害リスクに対応し、安心した暮らしを提供します。
季節によって蓄電池の運転モードを自動で切り替える「グリーンモード多雪」機能
3.太陽光発電システムの大容量化で自然エネルギーの活用を促進、よりエコな暮らしに
PVで発電した電力を家庭で使える電力に変換するパワーコンディショナ(パワコン)の強化により、パワコン1台に接続可能なPV最大容量を従来の8.64kWから10.35kWへと約20%拡大。パワコン設置台数を増やさずにPVの大容量化を実現しました。
これらのスマートシステムにより、モデルプランでの消費電力量のうち夏季(5~10月)では電力会社から購入が必要な電気はわずか15%(エネルギー自給自足率85%)と試算、PV容量拡大前と比べ5%向上しました(※9)。年間光熱費は、PV、蓄電池を設置しない住宅と比較して約19.6万円(※9)削減することが可能で、環境貢献と経済性の両立を実現します。
夏季(5~10 月)に使用するエネルギー(※9)
一般住宅との光熱費の比較(※9)
■販売目標
年間210棟
『GREENMODEL-S あったかパッケージ』 外観イメージ
※1 建築基準法の規定により定められた垂直積雪量が100cm以上200cm未満の市町村。
※2 PVの発電量や蓄電池の充電残量が使用量や出力を上回る場合のみです。天候、季節、使用量、同時使用量(出力)によってはご利用できない機器が発生します。蓄電池の残量が無い場合は、電力は使用できません。
※3 大容量PV+大容量蓄電池+HEMS「スマートハイムナビ」を備えたGLEENMODELに相当する住宅の契約棟数。
※4 すべての電力を賄えるわけではありません。電力会社から電気を購入する必要があります。
※5 山形県鶴岡市で実施した検証結果による比較。除霜回数、室温低下、除霜時間については使用環境(室温や外気環境)、運転条件、温度設定によって異なります。[実施期間]従来仕様:2023年12月の1カ月間、あったかキープシステム:2024年1月の1カ月間。
※6 霜取り運転前に既に最大運転である場合など、プレヒート機能を行わない場合があります。
※7 カタログ値であり、実際に使用できる容量は異なります。
※8 冷蔵庫、携帯充電、照明、テレビなどの最低限必要な家電を使用した場合。(蓄電池の残量に応じて、空調や調理を行うことも可能。)
※9 [試算条件]【GLEENMODEL-S あったかパッケージ】電力契約:東北電力「よりそう+スマートタイム」(2024年10月時点)、PV10.35kW、蓄電池13.2kWh(グリーンモード多雪)、空調:快適エアリー(1階)(おすすめ運転)+エアコン(2階)(間欠運転)、【一般的な住宅】電力契約:東北電力「従量電灯B」(2024年10月時点)、PV・蓄電池:設置なし、空調:エアコン(1,2階) 、<共通>建築地:新潟、UA値0.46、延床面積:147.09平方メートル 、調理:IH、給湯:エコキュート、電力使用量:実邸HEMSデータをもとに試算。太陽光買取価格:15円(2025年想定)、再生可能エネルギー発電促進賦課金: 3.49円(2024年10月時点)、燃料費調整単価(2024年8月~10月の平均)。試算はあくまでもシミュレーション上の金額であり、敷地条件、プラン、設備仕様、生活スタイル、今後の購入電気代単価の変動などにより変化します。使用する環境等の条件によっては、当該数値を満たさない場合があります。メンテナンス費は別途かかります。