B2BCH_ONE
B2BCH_TWO
最終更新時刻:17時11分

エンハーツ(R)の中国におけるHER2陽性胃がんに係る承認取得のお知らせ

2024/08/19  第一三共 株式会社 

2024 年8月19日
第一三共株式会社

エンハーツ(R) の中国におけるHER2陽性胃がんに係る承認取得のお知らせ

第一三共株式会社(本社:東京都中央区、以下「当社」)は、エンハーツ(R) (中国語表記:?赫得(R))(トラスツズマブ デルクステカン、抗HER2抗体薬物複合体(ADC)*、以下「本剤」)について、中国の国家薬品監督管理局(以下「NMPA」)より、2つ以上の前治療歴のあるHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃または胃食道接合部腺がんを適応として、新たに承認を取得しましたので、お知らせいたします。

本適応は、中国で実施された、2つ以上の前治療歴のあるHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃または胃食道接合部腺がん患者を対象とした第2相臨床試験(DESTINY-Gastric06)の結果に基づき、承認されました。本適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験による臨床的有用性の検証を条件としています。

なお、本剤がNMPAより承認を受けた適応は、HER2陽性乳がんの二次治療、化学療法既治療のHER2低発現乳がんに続き3つ目となります。

当社は、全世界の胃がん患者の三分の一以上を占める中国において、HER2陽性胃がん治療に新たな選択肢を提供することで、より多くのがん患者さんに貢献してまいります。

以 上

* 抗体薬物複合体(ADC)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高めています。

HER2陽性胃がんについて

胃がんは世界で5番目に多いがんであり、がんによる死亡原因の第5位と言われています。2022年には、全世界で約100万人が新たに診断され、66万人以上が亡くなったとの報告があります。胃がんの罹患率は、東アジア、特に中国で著しく高く、全世界の症例の三分の一以上を占めています。中国における2022年の新規患者数は約36万人、死亡者数は約26万人であり、がん種別死亡率は第3位となっています。中国では、胃がん患者の約65%が進行性と診断されると言われています。

HER2は、胃がん、乳がん、肺がんや大腸がんを含む多くのがん細胞表面に発現するタンパク質で、胃がん患者の約5人に1人がHER2陽性と言われています。中国におけるHER2陽性の切除不能な胃がんの一次治療は、化学療法とトラスツズマブの併用療法が推奨されていますが、投与後に進行した患者に対しては治療の選択肢が限られています。

第一三共のDXd ADCパイプラインについて

第一三共のパイプラインには、現在、6つのDXd ADCが様々ながん種を対象とした臨床開発段階にあります。これらの薬剤は、がん細胞表面に発現する特定の抗原を標的とした抗体と、複数のトポイソメラーゼⅠ阻害剤(DXd)をリンカーを介して結合させ、がん細胞の内部へDXdを届ける第一三共独自のDXd ADC技術を活用して創製されました。

トラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ(R)、抗HER2 ADC)及びダトポタマブ デルクステカン(DatoDXd/DS-1062、抗TROP2 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてアストラゼネカと共同で開発及び商業化を進めています。パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402、抗HER3 ADC)、イフィナタマブ デルクステカン(I-DXd/DS-7300、抗B7-H3 ADC)及びDS-6000(R-DXd、抗CDH6 ADC)は、全世界(当社が独占的権利を有する日本は除く)においてMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAと共同で開発及び商業化を進めています。DS-3939(抗TA-MUC1 ADC)は当社が単独で開発を進めています。

なお、ダトポタマブ デルクステカン、パトリツマブ デルクステカン、イフィナタマブ デルクステカン、DS6000及びDS-3939は、現在開発中の薬剤です。安全性及び有効性はまだ確立されておらず、各国の規制当局による薬事承認は受けていません。

関連業界