―焼却炉内の冷却の際に発生した温水の熱を利用―
HFUとKantainer(R)接続の様子
株式会社日比谷アメニス(本社:東京都港区、代表取締役:伊藤幸男)は温風ファンユニット「HFU」を開発し、木質チップ乾燥コンテナ「Kantainer(R)(カンテナ)」(極東開発工業株式会社、本社:大阪市中央区、代表取締役:布原達也)と組み合わせ、省スペースで確実な乾燥が可能なシステムを、株式会社安田クリーン産業(新潟県阿賀野市、代表取締役:小柳秀樹)に納品いたしました。本システムにより、焼却施設や工場から生じる温水の排熱を木質チップの乾燥に有効活用することが可能となります。
■木質チップ乾燥システムについて
近年、燃料用木質チップの需要が高まっており、品質の高いチップ供給のための「乾燥」が重要になってきています。
木質チップの乾燥には熱源が必要となりますが、焼却施設や工場などから生じる未利用熱を活用することによって、新たな燃料消費を伴わずに熱源を得ることが可能です。
本乾燥システムは、温風ファンユニット「HFU」内で、温水の未利用熱を熱源に温風を作り出し、乾燥コンテナ「Kantainer(R)」に送り出すことで、コンテナ内の木質チップの乾燥を行います。
専用建屋の設置が不要となるため、省スペースで確実な乾燥が可能です。また、乾燥コンテナは脱着式コンテナ車による運搬や排出が可能なため、汎用性の高いシステムといえます。
焼却炉や工場などでの冷却の際に生じる温水の熱は、利用されずに放出されてきた未利用熱であるため、熱源自体は無償もしくは安価で利用可能であり、ランニングコストを抑えることが可能です。
温風ファンユニットの導入により、廃棄物焼却施設や温浴施設をはじめとする未利用熱・余剰熱の発生施設が、木質チップの乾燥施設として新たなプレイヤーになり、木質チップ供給者の売上が拡大し、需要者が求める品質に合った供給が可能となり、地域内の持続可能な森林資源活用に貢献します。
今回納品を行った株式会社安田クリーン産業様は、新潟県阿賀野市にある産業廃棄物中間処理施設で敷地内に焼却炉を保有し、木くずや廃プラスチック類などの焼却を行っています。また、木質廃棄物の破砕も行っています。
[本乾燥システムの導入効果]
1. 産業廃棄物処理施設は環境への配慮が必要であるが、焼却炉から生じる熱源を有効活用することが可能となる。
2. 焼却炉内の冷却の際に発生した温水の熱を有効利用することで木質チップ乾燥施設を併設した焼却施設としての付加価値が向上する。
3. 乾燥システムを導入することで生木チップを低含水率の高品質バイオマス燃料用チップとして利用先、販売先の拡大が期待できる。
[Kantainer(R)の特長]
・温風を熱源に、コンテナで木質チップを乾燥させる。
・コンテナ1台で、貯留・乾燥・排出・運搬(脱着ボデー車「フックロール(R)」に搭載)のすべての作業にトータルに対応。
<主要諸元>
・内寸法 :3,600 mm
・有効内法高 :1,500 mm
・二重底高 :100 mm
・容積 :10.3 m3
・重量 :約1,200 kg
Kantainer(R)の外観
Kantainer(R)の内部構造
[HFUの特長]
・ 温水が熱源の場合に熱交換により温風を作り出す。
・ 工場や焼却炉などの温水排熱といった未利用熱を活用でき、
低温、不安定な熱源も利用可能。
<主要諸元>
・ 寸法 :タテ2,400 mm×ヨコ1,100 mm×高さ1,700 mm
・ 消費電力 :約4 kW(3-200 V)
・ 熱交換量 :最大約100 kW(条件で変動)
・ 風量 :最大約6,000 m3/h
HFUの外観
<株式会社日比谷アメニスについて>
日比谷アメニスは、株式会社日比谷花壇の前身である有限会社芳梅園として1947年に設立。日比谷花壇の造園土木部門として事業を行い、1971年に日比谷花壇から独立し設立した会社です。
「Amenity Scape Creation=快適空間の創造」を企業理念に、環境づくりの立場から緑化事業を展開する他、近年では公園関連の指定管理者として維持管理のみならず運営までを行う事業を展開し、花と緑を活用し真に豊かな社会づくりに貢献しています。
<お問合せ先>
株式会社日比谷アメニス 環境エネルギー部 kankyo@amenis.co.jp
TEL 03-3453-2416 FAX 03-3453-2418
URL
http://www.amenis.co.jp/renewable_energy.html