2024 年9月13日
ノイルイミューン・バイオテック株式会社
ノイルイミューン・バイオテックのPRME技術を搭載した
CAR-T細胞の難治性固形がんに対する治療効果に関する研究論文発表のお知らせ
ノイルイミューン・バイオテック株式会社（東京都港区、代表取締役社長：玉田耕治、以下、ノイルイミューン）が国立大学法人山口大学（山口県山口市、学長：谷澤幸生、以下、山口大学）より独占的なライセンスを受けているPRIME技術に関しまして、ノイルイミューンと山口大学のグループによる共同研究の成果に関する論文が、米国癌学会（American Association for Cancer Research：AACR)学術誌 ”Cancer Research Communications” の電子版にて公開されましたので、お知らせいたします。
□ 論文タイトル： Therapeutic efficacy of IL-7/CCL19-expressing CAR-T cells in intractable
solid tumor models of glioblastoma and pancreatic cancer
□ ジャーナル名： Cancer Research Communications
□ 著者名： Keisuke Ohta, Yukimi Sakoda, Keishi Adachi, Taro Shinozaki, Masao
Nakajima, Hiroyuki Yasuda, Hiroaki Nagano, Koji Tamada
□ DOI： 10.1158/2767-9764.CRC-24-0226
□ Pubmed URL： https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39240078/
□ 論文概要：
・ 膵臓がんと神経膠芽腫は従来の治療法に対して抵抗性を示す代表的な難治性固形がんであるが、IL-7とCCL19を同時に産生するPRIME CAR-T細胞はこれらのがん種に対して優れた治療効果を発揮することを動物モデルにて実証した。
・ 膵臓がん患者のがん組織から樹立した腫瘍オルガノイドを免疫不全マウスに接種し、同一患者の末梢血単核球から製造したCAR-T細胞を静脈内投与するモデルにおいて、PRIME CAR-T細胞は、PRIME技術を搭載していない通常の CAR-T 細胞に比べて有意に優れた治療効果を発揮した。
【研究の背景及び概要】
既存の血液悪性腫瘍に対する CAR-T 細胞療法は、強力な治療効果を実証し、臨床応用が進んでいます。しかし、固形がんに対する CAR-T 療法はまだ開発途上であり、臨床的有効性の報告も限られています。この要因には、固形がんにおける腫瘍関連抗原の不均一性、CAR-T 細胞と免疫細胞の腫瘍組織への不十分な浸透、および腫瘍微小環境の免疫抑制などが挙げられます。ノイルイミューンでは山口大学と共同で、サイトカインである IL-7 とケモカインである CCL19 の両方を同時に産生する能力（PRIME 技術）を有する次世代型 CAR-T 細胞（PRIME CAR-T 細胞）の研究開発を精力的に進めており、こうした固形がんに対するCAR-T療法の問題点の解決に取り組んでおります。
本共同研究の成果は、ノイルイミューンのPRIME技術を搭載したCAR-T細胞の難治性固形がんに対する優れた効果を示しており、強力な腫瘍細胞傷害性に加えて、マウスでの腫瘍の完全拒絶とともにマウスの寿命延長を示すことを明らかにしました。また、患者由来の腫瘍オルガノイドに対して同一患者由来の末梢血単核球から作製した次世代型自家CAR-T細胞が治療効果を示した初めての研究成果となります。
【PRIME 技術について】
PRIME 技術とは、がん治療に用いるCAR-T細胞などの免疫細胞をさらに改良して、インターロイキン-7 (IL-7)と CCL19 を産生させる当社独自の技術であり、T 細胞の増殖や生存維持を促進すると同時に、T細胞や樹状細胞の遊走能を向上させ、がんに対する治療効果を向上させる可能性を有しています。PRIME技術は、がん局所に多くのCAR-T細胞と体内の免疫細胞を集積させることで、がん細胞を攻撃しやすい環境を作ることを目的として開発されました。 詳細については、https://www.noile-immune.com/Our_Science/prime_car-t.html をご覧ください。
以上
【ノイルイミューン・バイオテック株式会社について】
ノイルイミューン・バイオテック（TSE：4893）は、免疫細胞療法の治療効果を高める当社独自の革新的技術である「PRIME 技術」を搭載した PRIME CAR-T 細胞で、固形がんに対する次世代のがん免疫療法の実用化 に取り組むアカデミア発のバイオテック企業です。PRIME 技術は、様々なキメラ抗原受容体(CAR)との組み 合わせによる新規医薬品の創出や、多様なモダリティへの応用が可能で、他社技術との協働により今後多く のがん治療アプローチの開発が期待できます。ノイルイミューンは、日々の事業活動への取り組みを通じて、「がんを克服できる社会の創生に貢献する」ことを目指します。 詳細については、https://www.noile-immune.com/をご覧ください。
【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
〒105-0012 港区芝大門2-12-10 T&G浜松町ビル5階
ノイルイミューン・バイオテック株式会社
pr@noile-immune.com
