明治7年(1874)に盛岡城が取り壊されてから今年で150年。現存する盛岡城関連資料から、盛岡城の実態を探る!
企画展「城の跡」フライヤー
もりおか歴史文化館では、2024年8月10日~10月27日に企画展「城の跡 -残された盛岡城関連資料」を開催します。初代盛岡藩主の南部信直が、天下人・豊臣秀吉の許可を得て築城を開始した盛岡城は、寛永10年(1633)に3代盛岡藩主の南部重直が入城し、盛岡藩主南部家の正式な居城となりました。以降、200年以上の長きにわたり盛岡藩の中枢として存在し続けた盛岡城ですが、幕末・明治維新期を経た明治7年(1874)に取り壊され、今年はその150年目にあたります。現在、盛岡城跡には堂々たる石垣が残されているものの、江戸時代、盛岡藩の政庁であった当時の姿、例えば、城のどこにどのような建物があったかなどを知る事は困難です。本丸南東隅にあった三階櫓(時期により御天守とも呼ばれた櫓)を始めとする所々の櫓は御存知の方も多いかと思いますが、その他にも本丸や二ノ丸に存在していた御殿(城の中心的建造物)、城の各所に設置された門や蔵、あるいは神仏を祀った堂社など、現存していないものの盛岡城にはさまざまな建造物がありました。しかしこれらは明治期にほとんど取り壊されてしまったため、その痕跡を探るには現在に残された歴史資料に頼るしかありません。近年、盛岡城跡歴史的建造物復元に向けた動きが活発化しつつも、いまだ復元の決定打となる資料が確認されないなか、部分的にでも盛岡城の実態を示す資料は、実際にどのようなものが残されているのでしょうか。
本企画展では描かれた資料・記された資料・あるいはモノとして残された資料など、さまざまな形で現存する盛岡城関連資料をご紹介するとともに、それらから見えてくる盛岡城の実態を探ります。
展示期間 2024年8月10日(土)~10月27日(日)
※休館日:8月20日(火)、9月17日(火)、10月15日(火)
展示会場 2階企画展示室
開館時間 9:00~19:00(※入場受付は18:30まで)
観 覧 料 一般300円、高校生200円、小・中学生100円、団体(20人以上)は各2割引
※2階歴史常設展示室にもご入場いただけます
主 催:もりおか歴史文化館活性化グループ
問合せ:もりおか歴史文化館 TEL:019-681-2100 FAX:019-652-5296
もりおか歴史文化館公式ホームページはこちら (
https://www.morireki.jp )
【展示内容】
描かれた盛岡城「盛岡城図」狩野存信筆/明治時代
盛岡三図のうちの一つ。画面中央には、城の西側から見た盛岡城の本丸(南西の二階櫓の奥に南東の三階櫓など)付近が立体的に描かれており、城の姿を具体的にイメージできる好資料です。
奥州街道駅程図巻(部分拡大)/宝暦11年(1761)
明和盛岡城図(内曲輪部分拡大)/明和3年(1766)
記された盛岡城「南部重信宛盛岡城石垣普請許可書」寛文13年(1673)
江戸時代、経年や災害などにより傷んだ城郭の修復には江戸幕府の許可が必要でした。本資料は城修復の老中奉書であり、もりおか歴史文化館では計8通を保管しています。
祐清私記(坤)/江戸時代中期
御城廻御修補/江戸時代(延宝8年1月11日条)
残された盛岡城石垣
盛岡城は東北地方では珍しく、主要な曲輪すべてを石垣で囲った、総石垣の城郭です。自然石を乱積にした野面積や、ある程度加工した石を積み上げる打込接を布積にしたものなど、さまざまな石垣の積み方が確認できます。
本丸東側の石垣
二ノ丸西側の石垣
はばき石垣
残念石
もりおか歴史文化館
もりおか・城と城下町フィールドミュージアム
盛岡城跡公園の一角にある町なかミュージアム。1階は無料で、盛岡を代表する祭りや旬の観光情報を紹介。2階展示室(有料)では盛岡藩の歴史や藩主南部家に関わる資料を展示しています。
所在地 〒020-0023 岩手県盛岡市内丸1-50
電話番号 019-681-2100
URL
https://www.morireki.jp
もりおか歴史文化館は、もりおか歴史文化館活性化グループ(株式会社乃村工藝社、公益財団法人盛岡観光コンベンション協会)が指定管理者として運営しています。