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資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

2024/05/29  ホーチキ 株式会社 

2024年5月29日
ホーチキ株式会社

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について

当社グループは、本日開催の取締役会において資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について決議いたしましたので、お知らせいたします。



1.現状評価・分析

当社グループは経営理念である「人々に安全を」「社会に価値を」「企業をとりまく人々に幸福を」を具現化し、企業価値向上と持続可能な社会に一層の貢献を果たすべく、2024 年3月期を最終年度とする中期経営計画「VISION2023」を推進してまいりました。その結果、当社グループの ROE(自己資本利益率)は想定する株主資本コスト 7.77%を上回り、過去5年間のエクイティスプレッドは 2.23%~3.63%で推移しております。しかしながら、PBR(株価純資産倍率)は過去5年間で 0.7~1.1 倍にて推移しており、PER(株価収益率)も 7.5~9.8 倍の低水準に位置しております。この要因は主として当社の将来の成長性や持続的な収益拡大に向けた道筋が市場に対して十分に示し切れていないことによるものと分析しており、具体的には下記に示す通り(1)「ROIC(投下資本利益率)における資本効率の低下」、(2)「株式市場との対話が不十分」の 2 点にあると認識しております。

〈当社の経営指標の推移〉

ROIC 算出式:NOPAT(税引後営業利益)÷投下資本(売上債権-仕入債務+棚卸資産+固定資産)
2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期
売上高(百万円) 80,551 76,567 81,251 85,457 93,485
営業利益(百万円) 5,234 5,180 5,479 5,590 7,355
経常利益(百万円) 5,184 5,273 5,626 5,857 7,782
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円) 3,737 3,825 4,124 4,422 5,661
1株あたり
当期純利益(円) 149.28 152.75 164.70 176.65 228.23
期末株価(円) 1,366 1,369 1,234 1,548 2,236
PBR(倍) 1.0 1.0 0.8 0.9 1.1
PER(倍) 9.2 9.0 7.5 8.8 9.8
ROE(%) 11.3 10.5 10.1 10.0 11.4
ROIC(%) 9.1 8.6 8.9 7.9 8.2

(1)ROIC における資本効率の低下

ROIC が低下傾向であり、直近では 8.2%と改善しているものの、2023 年 3 月期には当社が推計する WACC(加重平均資本コスト)7.65%とほぼ同等の 7.9%まで低下しております。

当社は VISION2023 において、海外事業を成長ドライバー、国内ではストックビジネスへのシフトにより収益基盤を強化する戦略を掲げており、それらの戦略は着実に成果を創出していると認識する一方、BS 視点のマネジメントや事業別の資本収益性を評価軸とした事業ポートフォリオ評価については不十分であったことに起因していると分析しております。

(2)株式市場との対話が不十分

当社は決算説明会を始め投資家の皆様との対話を継続して実施してまいりましたが、当社における資本コストを正しく捉え、その水準を投資家の皆様と共有した上で対話を行うという側面においては十分ではなかったと認識しております。また、当社の持続的な成長に向けた事業戦略・成長戦略とそれを実現するための戦略投資のシナリオについて、具体的なキャッシュアロケーションなど開示情報が十分ではなく、加えて決算説明会以外の対話の場における経営者の関与も薄かったと分析しております。

2.今後の取り組み方針

今後も当社が株主資本コストを上回る資本収益性として ROE を持続的に向上させ、その取り組みが市場から適正な評価を受けることで PBR を改善させていくことを目的として、下記の 3項目の取り組みに注力してまいります。

(1)事業ポートフォリオ最適化経営の推進

資本コストを意識し、営業利益率、ROE に加えて ROIC を経営指標に加え、事業ポートフォリオの最適化による資本収益性の向上を実現する全社マネジメント体制を以下の通り構築いたします。

① 事業ポートフォリオ委員会の新設

2024 年4月より、執行部門のトップで構成される事業ポートフォリオの評価に特化した専門委員会を新設いたしました。この委員会は事業ポートフォリオの評価を踏まえ、事業投資を意思決定し、ポートフォリオ経営の実効性を高めることを目的としております。

② 事業部門制を導入した組織再編

2024 年4月より、事業ポートフォリオ経営を推進する目的で事業部門制の導入による組織再編を実施いたしました。事業毎に資本収益性をモニタリングし、PDCA を回す体制を明確にすることで事業別の資本収益性改善を目指してまいります。

③ 報告セグメント区分の変更

2025 年3月期第1四半期実績より、社内事業体制と報告セグメント区分の一致による事業責任の明確化を目的に報告セグメントを変更いたします。

本日発表の「報告セグメント変更のお知らせ」をご参照ください。

(2)成長戦略と戦略投資の明示

持続的な成長を支える事業戦略として、海外事業の拡大と国内ストックビジネスの強化を掲げ、具体的な施策として以下の 3 点を推進していくことを明確化いたします。

施策 1 「システム領域拡張による海外事業の拡大」
施策 2 「DX によるスマート化推進を基軸とした保守事業の拡大」
施策 3 「人的資本増加によるリニューアル事業の拡大」

上記の施策を推進するにあたっては、キャッシュアロケーションと戦略投資の内容を明示し、当社の成長戦略の理解をより深めていただけるよう努めます。

(3)株式市場との対話強化

当社では IR 活動を企業価値向上に向けた重要な取り組みであると位置づけております。今後は投資家の皆様との対話に経営者が関与する機会を増やしていくことを基本に、あらためて当社の資本コストを投資家の皆様と共有し、それに基づいた対話を推進します。また、専門性の高い業界であることから、特にわかりやすい情報開示を心がけ、投資家の皆様との対話を促進し、対話によって自社の課題を可視化し経営課題解決を経営戦略に反映するというサイクルを回すことで企業価値の最大化に努めてまいります。

3.資本収益性の向上目標

本日発表の HOCHIKI グループ中長期経営計画「GLOBAL VISION 2030」は、上記の取り組み方針を織り込んだ内容となっております。これらの取り組みにより、「GLOBAL VISION 2030」のPhase 1 の最終年度である 2027 年 3 月期は、資本収益性を高める経営目標を下記の通り定めております。

公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6745/tdnet/2450897/00.pdf

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