品川区は2月29日、施設の老朽化や機能更新などによる大規模改修に併せてZEB化を実現し、「(仮称)八潮在宅子育て支援施設」と「大原児童発達支援センター等複合施設(大原児童発達支援センター・大原児童センター)」の2施設において、都内の公共施設では初(※1)となる既存建築物の改修によるZEB認証を取得しました。
今後も、SGDsのゴール達成やゼロカーボンの実現に向けて「ZEB」等の認証取得をはじめ、環境に配慮した施設整備を継続していきます。
※1:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 事例データ一覧(公開資料)による
大原児童発達支援センター等複合施設パース
ZEBについて
「ZEB(ゼブ)」とは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称です。快適な室内環境を保ちながら、省エネにより使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーを創り出すこと(創エネ)で、建物で使うエネルギーの収支をゼロにすることを目指した建築物のことです。現在、4段階のZEBを定性的及び定量的に定義されています。
*家庭部門(住宅)の場合は、ZEH(=ゼッチ Net Zero Energy House)といいます。
品川区とZEBについて
品川区では、品川区長期基本計画や総合実施計画(令和2年4月策定)に基づき、まち全体の環境負荷の低減を目指すため、快適な室内環境を保ちながら年間で消費する建築物のエネルギー量が大幅に削減された建築物である「ZEB(ネットゼロエネルギー・ビル)」や「ZEH-M(ネットゼロエネルギーハウス・マンション)」の建設を進めています。令和9年度までに12施設での認証取得を目指し、今回の2施設での取得により、計9施設に至りました
ZEBの先導的建築物のオーナーである「ZEBリーディング・オーナー」として登録されている自治体において、引き続き全国で最多の取得数(※2)を有しています。
※2:一般社団法人環境共創イニシアチブ ZEBリーディング・オーナー一覧による(令和6年2月末時点)
既存建築物の改修によるZEB認証について
区はこれまで、新改築の機会を捉えてZEB化を進めてきましたが、さらなる建築物の脱炭素化に向け、今後引き続き使用する既存建築物への対策も不可欠であると考えています。
そのため今回、施設の老朽化や機能更新などによる大規模改修に併せてZEB化を実現し、「(仮称)八潮在宅子育て支援施設(昭和60年度築)」と「大原児童発達支援センター等複合施設(大原児童発達支援センター・大原児童センター:昭和58年度築)」の2施設において、都内の公共施設では初(※1)となる既存建築物の改修によるZEB認証を取得しました。
これまで同様、壁やサッシなどの断熱性能を高めるとともに高効率な空調設備、換気設備、太陽光発電システムを設置。既存施設の改修である利点として、これまでの使用実態やエネルギー消費量を把握していることを生かし、適切な空調能力を持った高性能の機器を導入します。
これらにより、「(仮称)八潮在宅子育て支援施設」においては従来の建築物と比較してエネルギー消費量を81%削減し「Nearly ZEB」を取得。また、「大原児童発達支援センター等複合施設(大原児童発達支援センター・大原児童センター)」においては58%を削減し、「ZEB Ready」を取得しました。なお品川区での、「Nearly ZEB」取得は、令和4年5月にオープンした品川区立環境学習施設「エコルとごし」に続き、2施設目となります。
※「Nearly ZEB」とは、ZEBに限りなく近い建築物として、ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物
「ZEB Ready」とは、ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
区は、SGDsのゴール達成やゼロカーボンの実現に向け、今後も「ZEB」等の認証取得をはじめとした施設整備を継続していきます。
八潮在宅子育て支援施設パース
「(仮称)八潮在宅子育て支援施設」(左)と「大原児童発達支援センター等複合施設(大原児童発達支援センター・大原児童センター)」(右)のBLESプレート