一般財団法人KIBOW(東京都千代田区、代表理事:堀義人、以下KIBOW)が運営する「KIBOW社会投資ファンド3号」は、臨床心理士・公認心理師によるオンラインカウンセリングサービスを運営する株式会社マイシェルパ(大阪府大阪市、代表取締役:松本良平氏、以下マイシェルパ)に5,000万円を出資しました。KIBOWとして22件目(19社目)の出資となります。今回のラウンドで同社の調達金額は、イノベーションディスカバリー2号投資事業有限責任組合(運営者:栖峰投資ワークス株式会社)、京信イノベーションC2号投資事業有限責任組合(運営者:株式会社京信ソーシャルキャピタル)、竹谷祐哉氏からの出資と合わせて、合計約1.2億円となりました。
マイシェルパは、“カウンセリングのファーストチョイス化”と“個人のウェルビーイングの実現”を目指し、主に法人を対象として、オンラインカウンセリングサービスを提供しています。「社内でメンタル不調者・休職者が出た」「既に他社のカウンセリングサービスを導入しているが社員にあまり利用されていない」などで、企業に導入されるケースが増えています。
マイシェルパの特徴は、カウンセリングの質と社内利用率の高さにあります。心理士としての信頼性が高い資格である臨床心理士・公認心理師を持つカウンセラー、かつその中でも高いスキルを持つ心理士に限って採用し、さらに精神科専門医による医学的なエビデンスに基づいたカウンセリング手法のトレーニングを継続的に実施すること、また人事・産業医との連携に加えて主治医との医療連携を行うことで、カウンセリングの質を担保しています。マイシェルパが行った利用者へのアンケート*1では、カウンセリングの実施前後における、メンタルヘルス改善の傾向が見られます(図1)。
*1 半年以内にマイシェルパのカウンセリングを利用した方へのアンケート(有効回答数:75名)
また、利用ハードルを感じられやすいカウンセリングを気軽に使っていただくためのオンボーディングの支援やメルマガの配信に加え、導入企業の社員が安心して利用できるための情報管理を行い、「高い利用率」を実現しています。マイシェルパが実施した導入企業へのアンケート(10社実施)では、「社内でカウンセリングを部下や周囲に勧める人が増えた(8社)」「メンタル不調者の早期発見・支援ができるようになった(8社)」など変化を実感されていることを確認できました。
<マイシェルパの目指すインパクトモデル>
※ “フリーアクセス”とは、企業などの当サービス導入により、社員が無料でカウンセリングにアクセスできる、という意味で使用
“KPI”とは、インパクトの成果を定量的に計測するための目標指標
今回の資金調達を通じてマイシェルパは、導入企業での利用率の更なる向上に向けた仕組みの強化、および営業基盤の確立を目指します。また社外取締役として、株式会社グロービスにてディレクターを務める大崎司が経営に参画します。加えて、KIBOW社会投資ファンドでは、本投資を機に、ファンド投資先の経営者がマイシェルパを利用できるように整備し、起業家・経営者のメンタルヘルス問題への対応を強化しました。
日本では過労死・自殺者の増加を背景にストレスチェックの義務化等、長時間労働やハラスメント対策が強化され、改善傾向にあるものの、問題は依然として根深く残されており、プロフェッショナルによる高品質なメンタルヘルス支援のニーズ・重要性は一層高まっていくと考えられます。KIBOWは、マイシェルパが社会に「いつでも使える質の高いカウンセリングサービス」を普及させることで、個人のウェルビーイングが叶う社会を実現していくことを期待しています。
◆株式会社マイシェルパについて
設立日: 2016年
事業内容: 法人向けオンラインカウンセリング事業
代表者: 代表取締役 松本良平
所在地: 大阪市中央区高麗橋四丁目5番12号
URL:
https://kokoronokenko.jp/lp/corporate-plan/
代表取締役 松本良平氏
医学博士、精神科専門医、日本医師会認定産業医、京都府立医科大学客員講師
2001年京都府立医科大学卒業、同大学附属病院精神科にて研鑽を積む。
2007年同大学大学院卒業。精神疾患の脳科学研究、認知行動療法に従事。
精神科病院の院長、医療法人理事長等を歴任。2016年にメンタルヘルス支援分野での起業を決意し、現在に至る。
社外取締役 大崎司
電通国際情報サービスにてITの企画営業に携わった後、電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)、電通コンサルティング、2社のコンサルティングファームの立ち上げに関わる。会社のマネジメントに携わりつつ、自動車、通信、エネルギー、ヘルスケア、不動産・街づくり、中央省庁など幅広いクライアントに対し、中期経営計画、成長戦略、新規事業戦略などのコンサルティングを実施。
現在は、名古屋法人部門、新規開拓部門、法人マーケティング部門の3つの責任者を兼務しつつ、自動車関連産業をはじめ様々な業種に対して人材育成・組織能力開発のコンサルティングを行う。講師としては、エグゼクティブスクール、グロービス経営大学院ではマーケティング・経営戦略を、企業研修・実プロジェクトでは新規事業創造の登壇多数。また、ビジネスコンテストの審査・投資判断、起業家へのメンタリングも行っている。
◆KIBOWについて (http://kibowproject.jp)
東日本大震災の3日後に始動した救援・復興支援プロジェクト「Project KIBOW」は、「希望」と「Rainbow」から命名しました。長期的に被災地を支援していきたいという思いから、2012年2月に一般財団法人化し、以下の3つを軸に活動を展開しています。
1)「場」の提供(イベント)
被災地各地で、地域の復興を願う人たちが集まる「場」を作っています。地域の内外のリーダーたちが集まり、交流を生むイベントを定期的に開催しています。
2)寄付
これまで、約1400名以上の方々にご協力いただき集めた資金、約1億円を、被災地で活動しているNPOや各地のリーダー達に提供しています。
3)社会的インパクト投資(KIBOW社会投資)
被災地に限定せず、「社会を変える」志を持った社会起業家たちに投資し、事業の規模化を支援します。
■本リリースに関するお問い合わせ先
グロービス 広報室 土橋 涼
E-mail: pr-info@globis.com