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ロックドリル部門:トンネル工事用機械が国土交通大臣表彰技術として 活用推奨技術に選定 ~鋼製支保工建込ロボットとロックボルト施工機がトンネル工事の安全性・生産性向上に貢献~
2024年10月10日
当社(本社:東京都千代田区、社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社である古河ロックドリル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山口 正己)が製造販売するトンネル工事用機械、①鋼製支保工建込ロボット『ROBO ARCH』(MTH1220)と、②ロックボルト施工機『ボルティンガー』が、山岳トンネル工事での鋼製支保工の建て込み、壁面へのコンクリート吹付、ロックボルト施工作業における安全性と生産性を画期的に高めたことが評価され、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された新技術の中から「令和6年度 国土交通大臣表彰技術」として活用推奨技術(NETIS推奨技術)に選定されました。
危険な作業の多い山岳トンネル工事においては、高齢化や人手不足が深刻化し、作業の効率化や安全性の向上が求められています。古河ロックドリルでは、100年を超える経験と、最新のICT技術により、危険な作業から大切な人材を守る、ロボット化させた建設機械を提供することで、山岳トンネル工事の安全性と生産性向上に貢献してまいります。
トンネル工事用機械:左から『ROBO ARCH』MTH1220、『ボルティンガー』B32RL、B22RL
① 鋼製支保工建込ロボット『ROBO ARCH』について
支保工エレクタ付コンクリート吹付機MTH1220をベース機とする鋼製支保工建込ロボット『ROBO ARCH』は、切羽に作業員が立ち入ることなく、山岳トンネル用鋼製支保工を設置可能にしました。従来、作業員が切羽直下で支保工の設置位置合わせを行うため、落盤など被災する危険性がありました。
本技術の活用により、オペレータが操縦席のナビゲーションモニタで、支保工に取り付けたプリズムの位置を確認しながら、遠隔で支保工の位置合わせができることに加え、支保工をエレクタで把持したままコンクリート吹付作業を行い支保工を建込みできるため、肌落ちなどのリスクを低減させ、安全性が向上します。また、機械化により、鋼製支保工の建込み作業およびコンクリート吹付作業を6人から最小2人に削減することができるため、生産性が向上します。
(『ROBO ARCH』は、前田建設工業株式会社、マック株式会社、古河ロックドリル株式会社の共同開発です)
支保工エレクタ付コンクリート吹付機 MTH1220
■期待される効果
- 支保工の脚部を調整する作業者と指示を出す作業者が不要で、切羽直下での作業を削減でき、肌落ちなどによる事故のリスクが低減されるため、安全性が向上
- 作業員の人力による支保工の脚部作業(移動、位置調整、目視確認、調整指示)が不要で、省人化となるため、施工性が向上
- 従来技術の作業時間22分(一次吹付7分+建込み15分)から12分(建込み(一次吹付は建込みと並行))での作業が可能となるため、経済性が向上
- 鋼製支保工建込みと吹付けコンクリートとの並行作業が可能で、作業時間が削減されるため、工程を短縮
適用範囲
ベース機種 |
MTH1220 |
施工トンネル断面(最大) |
幅 16.8 m、高さ 10.5 m |
鋼製支保工サイズ(最大) |
150 H~250 H(アダプタ使用により 100H も可 ) |
鋼製支保工最大重量 |
1,250 kg |
NETIS登録情報
② ロックボルト施工機『ボルティンガー』について
ロックボルト施工機『ボルティンガー』は、山岳トンネル工事において、ロックボルト工のせん孔から挿入、設置までを行います。従来、ロックボルトの施工は一般的なドリルジャンボでせん孔し、モルタル充填とロックボルトの挿入、設置作業は作業員が切羽に立ち入り、人力で行う重作業でした。本技術の活用により、省人化や約 2 倍の施工量とすることが可能となるため、施工性および安全性が向上します。なお、必要に応じて、左右のせん孔ユニット並びにセンターの充填・挿入ユニットにより施工する3ブームロックボルタ『B32RL』と、せん孔から挿入まで2 ブーム同時にロックボルトの打設施工を行う 2 ブームロックボルタ『B22RL』の 2 機種から選択できます。
3ブームロックボルト施工機 B32RL
2ブームロックボルト施工機 B22RL
■期待される効果
- ロックボルト打設作業の省人化
機械化により、オペレータ1 名および打設作業員 1 名を削減し、5 名から 3 名編成での作業が可能
[対応機種:『B22RL』、『B32RL』]
- オペレータの熟練度に左右されず施工性を向上
[対応機種:『B22RL』、『B32RL』]
- ロックボルト打設作業の機械化により、工程時間を短縮
[対応機種:『B22RL』]
- 打設装置の左右 2 基搭載により、施工量が倍増
[対応機種:『B22RL』]
- 切羽付近での人力作業が不要となり、安全性が向上
[対応機種:『B22RL』、『B32RL』]
- 人力作業が不要となり、作業員に余剰モルタルが降りかからず、作業環境が改善
[対応機種:『B22RL』、『B32RL』]
(ボルティンガー B32RL施工動画)
https://www.youtube.com/watch?v=8hfa7ZY1Fg4&t=132s
適用範囲
機種 |
B32RL |
B22RL |
施工トンネル断面(最大) |
幅 15.1 m、高さ 9 m |
幅 16.85 m、高さ 10.4 m |
ロックボルト打設長さ |
3 m/4 m/6 m(3m継ぎボルト仕様) |
ロックボルト格納本数 |
12 本/ユニット |
NETIS登録情報
NETIS(新技術情報提供システム)の推奨技術とは
公共工事等における優れた新技術の活用を促進するため、令和6年度から最新の国土交通大臣表彰技術をNETIS 推奨技術・準推奨技術に選定することとしています。今般、外部有識者の審査を経て、推奨技術11 件が選定されました。
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