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ユニック部門:ミニ・クローラクレーン『U-CUBE』(住宅建築用)を販売開始 ~住宅密集地・狭小地住宅施工の課題を解決~
2024年10月29日
当社(本社:東京都千代田区、社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ユニック部門を担う古河ユニック株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山川 賢司、以下:古河ユニック)は、ミニ・クローラクレーンの新たなカテゴリー製品として、ミニ・クローラクレーン『U-CUBE』(住宅建築用クレーン:最大吊上能力 980kg)を開発し、2024年10月29日より販売を開始します。
住宅建築の耐震化や土地の有効活用にあたり、鉄筋コンクリート造の新築・リフォーム施工のニーズが高まっている一方、都市圏や駅近の利便性の高い住宅密集地や狭小地には、従来のトラック搭載型クレーンやラフテレーンクレーンなど車幅や機体の大きいクレーン車が入り込むことが困難なため、工期の長期化や、それに伴う輸送費・人件費の増加、周辺道路を通行止めにせざるを得ない課題が発生しています。
これらの課題を解決すべく、このたび、ミニ・クローラクレーンが持つコンパクトボディの優れた可搬性と、液晶ディスプレイによる安全性・操作性に加え、直立型起伏ブームと折曲式ブームを搭載し、高い吊り上げ能力を備えたミニ・クローラクレーン『U-CUBE』を新たに開発しました。住宅施工関連事業者向けに『U-CUBE』を販売することにより、道路を通行止めにせず、狭い経路に搬出入し、限られた作業スペースでも現場に必要なクレーン能力を発揮することで、工期を大幅に短縮し、コスト削減や地域社会との共生に貢献します。
古河ユニックは、今後も操作性・安全性・作業効率改善・地域社会との共生に配慮しながら、お客さまのニーズに応えるべく、高機能化・高付加価値化を追求するクレーンの開発に一層注力してまいります。
ミニ・クローラクレーン『U-CUBE』 URW7035C4-HC1
ミニ・クローラクレーン『U-CUBE』(住宅建築用クレーン)について
本製品は、住宅密集地などの狭小地における住宅建築施工(特に鉄筋コンクリート造の戸建てや集合住宅での資材吊り上げ作業)を行うための機能に特化して開発した、最大吊上能力980kgのミニ・クローラクレーンです。3階建て住宅の施工に対応する、起伏ブーム※13段の「URW7035C4-HC1」、5階建て程度の低層階ビルの施工や立体駐車場等の施工に対応する、起伏ブーム5段の「URW7055C4-HC1」を新たにラインナップしました。大型クレーンの入り込めない現場へ自走して進入し、入れ子式の伸縮型(テレスコピック式)起伏ブームを採用し、折曲ブーム※2を連結することで、これまでにない作業範囲の拡大を可能にしました。
※1 起伏ブーム:根元のブーム。コラム部分に伸縮型ブームを採用し、更にブームを連結することで作業性を高めました。
※2 折曲ブーム:起伏ブームの先端に連結した伸縮型ブーム。作業半径を調整します。
販売製品一覧
ミニ・クローラクレーン『U-CUBE』(住宅建築用クレーン)
- URW7035C4-HC1 起伏ブーム3段 折曲ブーム5段
- URW7055C4-HC1 起伏ブーム5段 折曲ブーム5段
主な特徴
(1)伸縮型起伏ブームの採用
伸縮型(テレスコピック式)起伏ブームの採用で、建物の奥側へのアクセスが容易に行え、架空線(電線)や足場などをかわしての資材搬入が可能です。
従来のミニ・クローラクレーンとの比較
(2)優れた小回り性能
両機種ともに格納状態での本体全幅は1,500mmで、格納状態での本体寸法をコンパクトに設計しています。
URW7035C4-HC1は、幅2mの直角通路を、URW7055C4-HC1は幅2.4mの直角通路をそれぞれ走行でき、大型クレーンの入り込めない現場へ進入しての作業が可能です。
寸法 |
URW7035C4-HC1 |
URW7055C4-HC1 |
A |
2m |
2.4m |
格納状態での進入可能通路寸法
(3)「脱出モード」を搭載
本製品独自の新たなモードである「脱出モード」を搭載しています。本モードでは、通常のクレーン・アウトリガ操作の制限を解除し、狭い隙間にクレーンを通して現場から撤収する際に必要な操作のみが行え、省スペースでの格納・撤収作業が可能です。このため、建物内へ設置してクレーン作業を行ったあと、本体を脱出させることができます。
寸法 |
URW7035C4-HC1 |
URW7055C4-HC1 |
B |
2.4m以上 |
2.7m以上 |
C |
3.3m以上 |
4.25m以上 |
「脱出モード」で脱出可能な寸法
(4)多彩なアウトリガの設置パターン
➀様々な作業姿勢を選択可能
両機種ともに、アウトリガの張り出し位置を前方各5位置、後方各6位置の選択が可能です。また、古河ユニックの乗車型ミニ・クローラクレーンでは初めて、アウトリガに2段折曲式を採用しました。アウトリガのロックピンの位置で、張り出し状態を6パターン選択でき、前方各30パターン、後方各36パターンの多様な張り出しパターンでの設置が可能です。
アウトリガ設置パターン
2段折曲式アウトリガ
②建物内にも設置可能で、道路の通行止めが不要
2段折曲式アウトリガの採用で、どのアウトリガの状態でも、一般的な住宅基礎の高さ(約450mm)をまたいで設置することが可能です。建物内にも設置可能で、道路を封鎖することなく作業を行うことができます。道路の通行止めを行う必要がないため、もし通行止めができない場所でも、作業が可能です。
建物内にも設置可能
(5)選べる作業姿勢(URW7035C4-HC1)
URW7035C4-HC1の起伏ブーム※3の作業姿勢は、85°、90°、95°の3種類から選択して作業することができます。選択した角度により、クレーンの性能は変化します。つり上げ能力を重視したい場合は85°、最大作業半径を確保したい場合は95°、バランスを求めたい場合は90°と、施工現場の求める能力により選択可能です。
選べる起伏ブーム角度
※3 URW7055C4-HC1の起伏ブーム角度は87°です。
(6)先進のクレーン監視システムを搭載
➀液晶ディスプレイでクレーン状態を常時監視
液晶ディスプレイでは、作業姿勢に応じた定格荷重や負荷率などが確認できます。つり荷重の表示単位は、ミニ・クローラクレーン同様、10kg単位と高精度です。定格荷重は、アウトリガの張出状態によって前後左右それぞれ変化しますが、アウトリガの設置位置を検出し、定格性能を自動で判別します。多様なアウトリガの設置パターンに全て対応していて、液晶ディスプレイで確認できるようになっているため、現場の安全作業をバックアップできます。
液晶ディスプレイ
多様なアウトリガの設置パターンも自動判別
➁フロントビュー
液晶ディスプレイでは、機体の前方カメラの映像も確認できます。走行モードでは、クレーン本体の車幅を示すガイド線も表示されるので、狭い通路でも
安全に走行できます。
➂液晶ラジコンJOY
連動操作性に優れるジョイスティック式ラジコンにも対応しています。本体から離れた場所でも、常にクレーンの状態を確認しながら作業を行うことができます。
(7)充実の安全機能
クレーン操作中のアウトリガ操作や走行操作など誤操作を防止する各種インターロック装置や、走行時の安心をバックアップする機能を搭載しています。
例.クレーン・走行レバーインターロック装置、クレーン・アウトリガインターロック装置、アウトリガ未接地時インターロック装置、コラム・起伏ブームリンクピンインターロック装置、アウトリガピンインターロック装置、前照灯、走行用回転灯、点滅灯(ブーム先端) など
(8)稼働事例
狭小路への自走式搬出入
住宅密集地でのクレーン作業
道路の通行止め不要
建物内にも設置可能
主要諸元・販売価格
■主要諸元・販売価格
型式 |
URW7035C4-HC1 |
URW7055C4-HC1 |
起伏ブーム角度 |
85° |
90° |
95° |
87° |
駆動方式 |
ディーゼルエンジン駆動 |
つり上げ荷重 |
980㎏ |
最大クレーン容量 |
980kg×6.44m |
980kg×6.0m |
980kg×6.0m |
980kg×5.0m |
最大作業半径 |
12.96m |
13.27m |
13.99m |
13.74m |
最大地上揚程(約) |
21.15m |
21.17m |
21.12m |
27.81m |
起伏ブーム |
伸長速度(ブーム長さ) |
4.85m(3.585m~8.435m)/29s |
10.44m(4.11m~14.55m)/58s |
起伏速度 |
0°~95°/15s |
0°~87°/18s |
折曲ブーム |
伸長速度(ブーム長さ) |
8.76m(3.66m~12.42m)/23s |
8.76m(4.19m~12.95m)/24s |
起伏速度 |
0°~180°/36s (起伏ブームとの相対角度) |
0°~85°/17s (クレーン作業時の接地角度) |
フック巻上速度(ロープ速度) |
1速:38.4m/min(4層目) 2速:53.8m/min(4層目) |
1速:43.5m/min(4層目) 2速:63.9m/min(4層目) |
旋回範囲/旋回速度 |
360°(連続)/2.5rpm |
本体寸法(全長×全幅×全高) |
3,884mm×1,500mm×2,388mm |
4,440mm×1,500mm×2,525mm |
総質量 |
8,650kg |
9,400kg |
販売価格:オープン価格
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03-6636-9501