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非アルコール性脂肪性肝疾患の発症予測方法を開発生活習慣病の予防医療への貢献を目指す

2024/07/22  株式会社 島津製作所 

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2024年7月22日 | プレスリリース 非アルコール性脂肪性肝疾患の発症予測方法を開発
生活習慣病の予防医療への貢献を目指す

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株式会社島津製作所と学校法人聖路加国際大学は、非アルコール性脂肪性肝疾患(Non Alcoholic Fatty Liver Disease/NAFLD、ナッフルディー)の発症を予測できるシステムを開発しました。本システムは血液をガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)で計測し、14種類の代謝物の計測データからスコア値を算出します。スコア値が一定の基準を超えると3年以内に発症するリスクが高いと判断されます。NAFLDは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴うことが多いうえ、脳心血管疾患や肝臓以外の臓器への発がんリスクを増加させることが知られており その発症予防は健康増進に欠かせません。両者は引き続きNAFLDの早期発見・予防に役立つ技術の社会実装を目指します。なお、本研究の成果は2024年6月に欧州肝臓学会(EASL Congress 2024、イタリア ミラノ)で発表しています。

島津製作所と聖路加国際大学は2015年2月から「人間ドックの血清オミックス解析による疾患関連マーカーの探索」のテーマで共同研究を行い、予防医療に資する検査法の確立に取り組んできました。2018年にはGC-MSを用いてNAFLDの罹患の有無を判断できる血液検査用バイオマーカーを発見しました。さらに共同研究を進め、このたび、同大学が運営する聖路加国際病院附属クリニック予防医療センターの人間ドック受診者4,495人の血液サンプルおよび臨床データから、NAFLDの発症予測が可能なシステムの開発に至りました。

本システムの開発は、島津製作所の質量分析技術と、聖路加国際大学の品質管理された血液検体、電子的に蓄積された臨床データおよび臨床・統計解析の知見との融合により実現しました。NAFLDの発症予測を定期的な受診や生活習慣の改善を通じた発症リスクの低減につなげて、予防医療に寄与します。島津製作所は現在、「聖路加国際大学以外の施設の人間ドック受診者のサンプルについても同様の発症予測性能を示すか」を検証しており、今後は「複数施設間で互換性を持って利用可能な、NAFLDの簡易な発症予測ができる検査システム」の開発を進めます。さらに、NAFLD発症予測で開発した代謝物分析システムを慢性腎臓病や心房細動といった疾患にも応用することで、血中の代謝物測定による生活習慣病の包括的な発症予測システムの社会実装を目指します。

島津製作所は中期経営計画において、ライフサイエンス分野を含むヘルスケア領域を社会価値創生領域の1つと定め、当該領域における社会課題の解決に注力しています。当社は今後も質量分析技術による血液検査手法の開発・確立を通じて、健康長寿社会の実現に貢献します。
聖路加国際大学は「聖路加国際大学中期計画2030」に基づき一人ひとりを尊重する質の高い予防医療サービスの提供を実現するため、聖路加ならではの特長を生かして新しい医療技術の開発・研究に引き続き取り組みます。

  • ※田中純子著 厚労労働科学研究費補助金(肝炎等克服政策研究事業)令和元年度研究報告書


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