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最終更新時刻:17時11分

培養最適化支援ソフトウエア「CellTune」を発売 - 2024年内に細胞培養関連リカーリング事業を開始へ

2024/09/04  株式会社 島津製作所 

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2024年9月4日 | プレスリリース 培養最適化支援ソフトウエア「CellTune」を発売
2024年内に細胞培養関連リカーリング事業を開始へ

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島津製作所は、9月4日にAI(人工知能)が最適な細胞培養条件を選ぶ培養最適化支援ソフトウェア「CellTune」を発売します。本製品は、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)および「LC/MS/MSメソッドパッケージ 細胞培養プロファイリング Ver.3」で培養上清液を分析したデータを基に培地組成や培養環境などについて最適条件を提案します。

細胞培養技術を用いる抗体医薬品や細胞医薬品は、培養工程に時間がかかり、培地も高額なため、大規模生産にはリスクが伴います。低コストかつ高品質に細胞を培養するには培養条件(パラメータ)の設定が重要です。培養に関わる主なパラメータは、アミノ酸やビタミンなどを含む培地の構成成分の濃度や培養環境の温度、pH(水素イオン濃度指数)などが挙げられます。ただし、培地を構成する成分だけで約100種類存在し、培地の組成や濃度は細胞ごとに異なります。従来は経験豊富な作業者がパラメータを検討してきたものの、効率には課題が残っていました。当社は2022年2月からAIスタートアップであるエピストラ株式会社(東京都港区、以下エピストラ)と培養条件の最適化ソリューション開発に取り組んできており、このたび培養上清液中の144成分を当社製LC-MSで分析したデータから培養結果への影響が大きいパラメータを抽出する「特徴量抽出モジュール」と、最適な培養条件を提案する「AI自動最適化モジュール」から成る「CellTune」を開発しました。

エピストラは、製薬企業や受託製造企業、微生物発酵技術を持つ食品メーカーなどに「CellTune」を用いた培養条件の最適化コンサルティングサービスを本日から提供します。島津製作所のグループ会社である島津ダイアグノスティクス株式会社(以下、SDC)は、細胞培養関連の試薬や培地などを製造しています。当社およびSDCは、「CellTune」が提案する培地などを提供するリカーリングビジネスを2024年内に立ち上げます。当社は今後、細胞画像やLC-MS以外の装置による計測結果もパラメータに加えて、「CellTune」を中心とした細胞培養支援技術・製品を開発していきます。

新製品の特長

1. 統計解析の知識がなくても解析結果を取得可能

培養上清液をLC-MSで分析したデータから培養成績への影響が大きい培地成分を統計解析により抽出します。解析に必要な各処理プログラムをソフトウェア上で連結させた状態(解析レシピ)で提供しますので、解析レシピと解析パラメータを設定するだけで重要成分抽出などの解析結果を取得できます。

2. イメージしにくい最適条件を提案

培地の検討でパラメータが複数ある場合1種類の成分の最適な濃度を検討してから、次の成分の最適濃度を検討します。しかし、個別成分の最適解を積み重ねても、最良の実験条件とならないことがあります。本製品の「AI自動最適化モジュール」は複数成分を一括で検討できるため、全体最適のパラメータを得られます。

3. 効率的に実験条件を探索

「CellTune」が提案する実験条件とそれに従った再実験の結果(培養成績のデータ)を「CellTune」に入力すると、ソフトウェアが培養成績の予測モデルを生成して、そのモデルに基づいて次回の実験計画を提案します。データ入力量に応じて予測精度が向上するため、実験を重ねると業務効率が高まります。


このリリースの画像:
▼CellTuneによる培養最適化の流れ
https://www.jpubb.com/press/image.php?image=3286372

製品名 培養最適化支援ソフトウェア「CellTune」
希望販売価格 600万円(税別)
販売目標 国内で20式

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